最後の物語

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「なんつーか、ほんとすず音って意外性があるっつーか…
ナルトとはまた別の意味の意外性だけどよ」

「そこがすず音さんの可愛い所じゃないの〜っ
音楽やお花に関してはすっごく物知りだし上手なんだから!
ピアノ以外も出来るんでしょ?」

「はい。力を入れていたのはピアノですが…
他にも沢山の楽器に触れさせてもらいました。
歌も…少しだけですが」

「すず音さんのピアノの弾き語りとか聴いたことないでしょ?
すっっっごい綺麗なんだから!」

「へ〜、すず音さんって歌も上手いんだ。
ボクも聴いてみたいなぁ」

満腹になって満足したような表情のチョウジくんが言う。

「ま…いいけどよ。
音楽に特化してるってーのはすず音らしいっていうか…
そもそもこれ、独学だろ?苦労もするよな」

と、シカマルくんは私が分からないという所のページを開き

「いいか?ここが…」

頭の良いシカマルくんの教え方はとても丁寧で分かりやすかった。

分からない所をどんどんシカマルくんと片付けていき、時々いのちゃんも参加して教えてくれて
チョウジくんはそれを眺めながら持参していたお菓子をボリボリと食べ始めた。

「…と、まあ、こんな所だな」

「ありがとうございます。
分からない所すっかり無くなっちゃいました。
本当にシカマルくんって頭が良いですね!」

「どーも。礼はその噂の弾き語りってやつでいいぜ」

「ふふふっシカマルくんって少しアスマさんに似てきましたね」

「ま…アスマの火の意志を受け継いだからな」

と、シカマルくんはどこか懐かしむような目で遠くを見た。

アスマさんが敵との戦闘で亡くなったという報せを聞いた時は私も随分悲しんだ。

しかし、それ以上に亡くなった事を悲しんだのはいのちゃん達だった。

カカシさんと一緒に仇討ちへと向かい、増援として向かったナルトくん達と無事に帰って来た時は本当に嬉しかった。

それでもしばらくは落ち込んでいたが、今では立ち直りつつあるようだ。

特に、シカマルくんは気丈に振る舞いながらも深く悲しんでいたから心配したものだ。



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