最後の物語
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「つーかよ。すず音の弾き語りはオレへの礼じゃねーのかよ。
こんなに人が集まってほんとめんどくせー」
「なーに言ってんのよシカマル!
すず音さんの歌声は一級品なのよ?
独り占めしてないでみんなにも聴かせなさいよっ」
「いいいいいのちゃんっハードル上げないでー!
ただでさえギターで出来る弾き語りは一曲だけって引き出しも少ないのにっ」
「ほー?そいつぁ楽しみだな?」
「もおおおお!シカマルくんも!」
「とりあえずポップコーンは持ってきたよー」
「そりゃ映画だチョウジ」
と、シカマルくんがつっこむ。
「大丈夫よすず音さん!
さっきギターの調節してる時に歌ってたけどすっごく上手で綺麗な声だったもん。ね!姉様!」
「そうねハナビ。歌の歌詞は分からなかったけど…」
「私の世界の…外国の言葉だからね…
私も歌えても歌詞の内容はうろ覚えなの」
「へええ!すず音の世界の外国語!」
「それは興味深いな…何故なら、すず音の歌でしか聞く事が出来ないからだ」
キバくんとシノくんも興味深そうに私を見る。
「聞いても分からないと思うが…ちなみに何ていう国の言葉なんだ?」
ヒナタちゃんの横で腕を組んで立っていたネジくんが聞いてくる。
私は上を見上げて考えながら
「ええっと…確かロシア…だったかな…」
「分からないな」
「異世界の外国なんて想像もつかないわよねー」
「ですが、異世界の外国なんて青春と同じくロマンがありますね!」
そんなテンテンちゃんとリーくんの横でサイくんがにっこりと微笑み
「へー。すず音さんバカなのに外国語の歌を歌えるなんて凄「しゃーんなろー!!」「いい加減にしろサイぃ!」…うわぁ…相変わらずすず音さん親衛隊は怖いなぁ」
「し、親衛隊って…」
確かにナルトくんとサクラちゃんは昔から仲良しだが親衛隊なんていうものではない。
仲良しな友達で、仲良しな姉弟みたいなものだ。
そんな姉弟のような人達の仲間であるみんなは私の前に座っていたり、立っていたりしながら雑談をしている。
「(ああ…木ノ葉では誰とも繋がりを持っていなかった私なのに
今ではこんなにも沢山の人達と繋がっている)」
それがたまらなく嬉しい。