最後の物語

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確かに一度死んでしまったこと。

けれど、生の死の狭間のような場所で父親であるサクモさんと会い色々話が出来たこと。

嬉しそうに話す彼を見て「生きてて良かったけど、死んでしまったことも悪くなかったのだ」と思った。

「でもやっぱり死なないで下さい!
無茶言ってるって分かってますけどっ…分かってますけど…!」

「分かった分かった。ごめーんネ?」

今回の襲撃事件で私は改めて思う。

忍の方は、本当にいつ死んでもおかしくない事を。





















暁襲撃でチャクラを使い果たし意識のない火影さんの代わり、カカシさんが火影になる話が上がったがそれは火影さんが目を覚ました事により無くなった。

カカシさんの火影就任が無くなったのは残念だけど、火影さんが目を覚ましてくれて良かった。
だがホッと安堵するも束の間、トビという暁からの宣戦布告。

カカシさんも戦闘の部隊長に抜擢され里内はあっという間に大規模な戦争モード一色となってしまった。

もちろんそんな状態でいのちゃんもいのいちさんもお店にまで手が回るはずなく、戦争準備の手伝いも参加出来ない私はただ自分の家で、打ち合わせや指揮で夜遅くに帰ってくるカカシさんを待ち、支える日々を過ごしていた。

そして開戦前夜。

「必ず帰る」とカカシさんは私に約束し、久しぶりに体を重ねた。

愛し合いながらも互いに「もしかすると最期かもしれない」と思っていたみたいだ。
その晩のセックスは二度目になるナカ出し。

彼が死んでも、彼の意志が残されるのを願い何度も何度も注がれそれを受け止めた。

翌朝は笑って彼を戦場へと送り出した。

でも、本当は行って欲しくなくて…不安と悲しみで隠れて泣いた事は今でも彼には秘密である。

忍同士による大規模な大戦争。

自分が住む世界の事なのに、生まれ育った世界が平和一色だった為いまいち想像に乏しく実感が持てない。

だが…そんな私が何故か戦争真っ只中の戦場に放り出される事になった。

それはいつも通り自宅で生死も分からぬ彼の帰りを待っていた最中に起きた。

突然目の前の風景が変わったと思えば、ガシッ!と首を掴まれギリギリと締め上げられながら私の体は宙に浮く。

「やはりか。
お前自身に術は効かないが、口寄せで呼び寄せるくらいは可能なようだな。
元々時空間忍術でこの世界に口寄せされた余所者だしな」

「はっ…」

息が出来ず、喉が絞まる。

知らない男の人。

その男性の顔の半分はまるで雑な整形手術を受け輪郭が歪んだような顔をしていた。
そしてその目にはカカシさんと同じ写輪眼。



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