山守月天子

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「すず音さーん!」
「すず音ねーちゃん!」

少し離れた場所からサクラちゃんとナルトくんのふたりが声を上げて駆け寄ってくる。
ふたりは私の前にやって来ると

「水、汲んできたってばよ!」

「ありがとうナルトくん」

「私は薪を集めて来たわっ」

「サクラちゃんもありがとう」

「これで大方準備は整いましたかね?」

「そうですねヤマトさん。あとは…」

空を見上げる。

夕日が徐々に沈みつつある。
まだ光がある内に料理や作業を始めてしまいたいのだが、カカシさんがやって来る様子はない。
まだ任務の最中なのだろう。

「カカシ先生、今日来れるんですか?」

薪を置きながらサクラちゃんが私に聞いてくる。

「遅れてくると言っていました。
なるべく早く帰るようにするとも言ってましたが…まだ時間がかかってるのかもしれませんね」

「じゃあ先に始めちまおーぜ。
カカシ先生の遅刻なんていつもの事だしよ。
それに俺、腹減っちまって」

「そうですね。ナルトくん達も明日も任務ですし、なるべく早く帰ってゆっくり休まないと」

「なら、私すず音さんの手伝いします!」

「ありがとうサクラちゃん。
他の皆さんは食事が出来るまで少し待ってて下さい。
焼きあがったら呼びますので」

「よっしゃあ!なーなーヤマト隊長!ついでに魚釣ってすず音ねーちゃんに焼いてもらおうぜっ」

「釣りかぁ…ボクに釣れるかな」

「ねぇナルト。これ、食べられるかな?」

「サイ、ザリガニじゃねーかそれ!
えっザリガニって食えんの?」

「食べられますけど下準備に日数が必要なのでその場では食べられませんよ」

「だってよ」

「なんだ。残念だな」

と、サイくんは手に掴んでいたザリガニを逃がしてあげる。

「ほらサイも釣りしようぜ」

「魚が必要なんだね。ならボクの超獣偽画で…」

「あーもう、こういう時は忍術は無し無し!」

「どうして?忍術を使えば魚なんて」

「いーから!ほらっ」

まだよく納得出来ていないサイくんに釣竿を無理矢理持たせるナルトくん。
困惑する彼を連れてナルトくん達は川へと向かった。



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