山守月天子

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色々考え込んでいるうちに食材は焼き上がり、私とサクラちゃんで男性陣に声をかける。
待ってましたと言わんばかりにナルトくんが真っ先に駆け付けて私から取り皿と割り箸を受け取ると「いただきます!」と元気に食事を開始した。
マイペースにやってきたカカシさんの手には二匹の魚がぶら下げられており、早速お願いして捌いてもらう。
慣れた手付きは私だけでなく他の皆さんも感心し、その魚は簡単に塩だけ振って焼く事にした。

「ヤマトさん、お魚やお野菜優先的に取っていいですよ。
油っこい食べ物苦手なんですよね?」

「すみません。気を使わせちゃって」

「サイは魚釣れたの?」

「ボクには難しいみたいだよ。
でも、何となくだけど釣りの楽しさというのは分かった気がする。
またリベンジしてみるよ」

「カカシ先生!今日という今日はその素顔拝ませてもらうぜ!
立食ならそのマスク取るしかねぇよなぁ?って…はや!?めっちゃはや!ええ!?口元見えねぇってばよ!?」

「まだまだ修行が足りないようだネ」

日が暮れ暗くなっていく川辺でワイワイと賑わう私達。
次第にお腹も脹れ、ヤマトさんが作ったベンチに座って談笑したり忍術についてカカシさんやヤマトさんに教わったり、自由な時を過ごす。

ふと、空を見上げる。

すっかり夜の空となっている。

私は座っていたベンチから立ち上がって空に広がる星を眺めた。

「どうしたんだ?すず音ねーちゃん」

地面にどっかりと座っていたナルトくんが不思議そうに私に聞いてきた。

「星を見てるんです。ええっと…こっちが北かな?」

「すず音ねーちゃん…逆…」

「そっち南よすず音さん」

「やっぱりすず音さんって天才的な天然バk『なんか言った?』ふたりとも怖いなぁ」

「あはは。地図や地理は苦手だったもので、よく迷子になったものです」

改めて北の空を見る。

じっくりと星空を眺めていると、ある事に気付いた。

「北極星、ありませんね」

「ほっきょくせい?」

ナルトくんも興味を持ったのか立ち上がって私の横に並び星空を見上げる。

「私の世界にある有名な星の名前です。
北極星の近くには北斗七星という星列があるんだけど、それも見当たらないの」

「へー?それってば、どういう星なんだ?」

「北極星は季節や場所を問わず常に北に輝く星。
道に迷った人はその星を見つけて方向を把握してたの。
北斗七星はその北極星を見つけるための目印みたいなものなの」

「なるほど。所謂、天の目印みたいなものですか。
ボク達の世界にも目印にしてる星がありますね。先輩」

「ああ。北極星という名前じゃないけどその星と同じ季節や場所を問わず常にある星がある。それも北にあるよ」

「そうなんですか?えっと…どの星でしょう?」

「んーとね」

と、カカシさんも私の横に来て星空を見上げながら指を指す。



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