山守月天子

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目を覚ますと目の前にはほっと安堵した表情をするカカシさんとナルトくん、サクラちゃん。

「あれ…私…」

「大丈夫ですか?」

カカシさんに体を起こしてもらいながらぼんやりとする頭を抱えて状況を考える。

「また胸が苦しくなったのか?」

「はい…それで、病院が出した痛み止めを飲んで…落ち着くまでその場に座り込んでて…」

「そのまま気を失った。って所か」

私の傍らには空のコップが床に転がっている。
カカシさんはそれを確認するとコップを手に取り、流し台に置いた。

「何時ぐらいに起こったんだ?」

「病院から帰宅して、買い物の品物を冷蔵庫にしまい終わってからすぐです」

「じゃあ午前中からずっとこうだったのか」

「うそ!もう夜よ!?
すず音さん朝からずっと気を失ってたの!?」

「え!?もう夜なんですか!?」

窓を見れば確かに日はとうに落ちていて真っ暗だった。
何故か窓が割れている。

「もう一度入院した方がいいんじゃねぇのか?
オレ心配ってばよ」

「そうですよっ私も心配です!」

「そう…ですね。もう一度詳しく調べてもらって…」

「…あのな、すず音。
もしかしたらその胸の苦しみの原因は…」

カカシさんが教えてくれた現状。
異世界からの干渉というものに私はひどく驚いた。

「そんな…どうして異世界からの干渉だと分かるんですか?」

「異世界に干渉し、すず音を唯一召喚出来た術者はもうこの世にはいない。
なのにまた穴が開き異世界の景色が見えているみたいなんだ」

「それが私の故郷である世界という確証は?」

「ハッキリ言ってない。
でも、その穴が出来始めた同じ時期にすず音の体に異変が起きた。
無関係とは言い難いさ」

「っ………」

「すず音に影響を与えてるとなると、すず音の異世界が干渉してるのではと想像するのは自然な事だよ」

「そんな…そんな、私の世界の人達には異世界なんて概念は存在しません。
ファンタジー小説等では度々設定として見かけますが、あくまで空想のもの。
大半の方は異世界なんて存在は頭の片隅にもありません。
事実、私もこの世界に来るまで異世界なんて考えた事もありませんでした。
だから私の世界の人達が異世界を観測し尚且つ干渉出来るだなんて思えませんっ」



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