山守月天子

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「だったら帰る必要なんかねぇ!
もし無理矢理にでもすず音ねーちゃんを帰らせようとしてんなら、オレ達が何がなんでも阻止してみせるってばよ」

「そうよ!絶対絶対帰らせないんだから!」

「俺は元から帰らせる気なんてサラサラないから。
実家に帰らせるような事した覚えもないしね」

「昔の女の人の事で一悶着起きたのに何言ってるのカカシ先生」

「うっそれはその…」

「なんだよカカシ先生。すず音ねーちゃん泣かせるような事したのか?」

「そっそれはともかく!
すず音は絶対に帰らせない。
俺をひとりにしないって約束でしょ?」

私の婚約指輪のある手を取り、その指にキスをする。

部下にまで弄られ狼狽える様子が可愛らしくて私はくすっと笑う。
不安でいっぱいだった胸が一気に晴れたようだ。

「そうでしたね。貴方は寂しがり屋ですから」

キスをされた手でカカシさんの頬を撫でる。
雰囲気を察したのかサクラちゃんが私の体から離れて入れ替わるようにカカシさんが私の体を抱き締めた。

「大丈夫。必ず解決してみせる。安心していい」

「はい…」

「すず音は何処にも行かせない」

微笑むナルトくんとサクラちゃんに見守られ、私はカカシさんの広い胸の中でしばらく抱かれ続けたのだった。


















結局病院には行かなかった。
痛みも治まったし、何より今日はカカシさんと一緒にいたくて。

安心して帰っていくナルトくんとサクラちゃんを見送ったあとすぐに食事の準備に取り掛る。
カカシさんがお風呂に入っている間に夕食は無事に作り終えたので彼を待たせること無く食事が出来た。
食事のあと、カカシさんは食器を洗おうとする私を引き止め入浴するよう促す。

「ですが…」

「倒れたんだから今日は早めに休みなさい」

申し訳ないけど、彼に甘える事にしてお風呂に入る。
入浴後洗った髪も乾かし寝巻きに着替えるとリビングに戻って来た。

「んじゃ、今日はもう寝よっか」

「まだ9時ですが」

「へーき。どうせ丁度終わった頃に寝る時間になるだろうし」

「へ?」

「倒れたんだからって言っておいてアレなんだけどさ…」

その言葉の先はすぐに想像ついた。



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