山守月天子
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「それであの…自来也さ…じゃなくて、自来也様?」
「………どうした?急に」
「あっいえ。カカシさんを始め皆さんそう呼ばれてますから、私もそう呼ぶべきではないかと考えまして」
「気にするこたぁない。
すず音の呼びやすいように呼べばいい。
なんなら『じらちゃん♡』でもいいぞ?
すず音みたいな美しくて可愛いお嬢さんなら大歓迎だ」
「そっそれはちょっと!」
「どうだすず音?
これから一杯わしに付き合ってくれんか?
すず音にお酌されたくてのォ。酒は飲める歳になったのか?
なーに。カカシはどうせ任務だろ?黙ってれば大丈夫」
「私は今ナルトくんを待ってまして…
というか、自来也さんの尋ねたい事とは…?」
「まーまーちょっとだけだから。な?
わしの用事も急ぐものじゃあない。さ、行こう行こう」
「あっあのっちょっ」
「させねぇってばよ!?」
ドガッ!
大きな手に引かれ歩きだそうとした時、ナルトくんの飛び蹴りが見事に自来也さんの背中に直撃した。
瞬時に手を離され私はそれに巻き込まれる事はなかったが、勢いよく吹っ飛んでいく自来也さんに驚き口を押さえて目を見張っていたが
吹っ飛んだ先でボンッ!という音がし、煙の中から丸太が現れた。
「ったく物騒なやつだのォ。
ここは町中だってーの」
「うるせぇ!真昼間からすず音ねーちゃん巻き込んで飲んだくれようとしてるエロ仙人に言われたくねぇ!」
ナルトくんの視線は既に丸太ではなくラーメン屋のお店の上に移っていた。
私もそちらを見上げるといつの間に移動したのか自来也さんが屋根の上に座っていた。
「つーか!エロ仙人がカカシ先生が新しい術の修行をつけてくれるってオレに言ったのに
カカシ先生の所に行ったらそんな話全然なかったぞ!
一体何がしたかったんだってばよ!?」
「思ったより戻りが早かったのォ。
邪魔者がいない隙に成長して美しくなったすず音を独り占めしようと思ったんだが」
「やっぱすず音ねーちゃん目当てか!
このっエロエロのドスケベエロ仙人!!
すず音ねーちゃんに近付くなッ!」
「相変わらずすず音の事になるとうるさいのォお前は」
「自来也様、里にお帰りでしたか」
ふたりのやり取りを傍観しているとカカシさんがのんびりと両手をズボンのポケットに突っ込み、マイペースな歩調でやってきた。