わかばいろ

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「それは…私にも難しい問題だな」

「僕も自分の妻ぐらいしか心当たりが…」

「こうして考えると僕らの周りってつくづく花がないですね。
恐ろしい程に女性に縁がないといいますか」

「嘘つけ楊戩。
お前何かとラブレター貰ってるくせに」

「僕に興味が無いのだから縁なんて無いも同然だよ。
そもそも向こうが渡してくるだけで返事も出来ないような内容なんだから、縁を作りたいのか作りたくないのかも分からない」

「まあ何にせよ我々だけでは解決出来ない問題だな。
私よりも異母姉様の方がこういう事は詳しそうだ。
異母姉様に何か良い案がないか聞いておくよ」

「僕も高蘭英に聞いてみる。
確かにまだ10代の女の子が同性もいない環境に一人って寂しいよな」

「ありがとう。よろしく頼むよ。
燃燈様もありがとうございます。
…では、そろそろ僕は失礼します」

「例の現場に行くのか?」

「ええ。もう一度だけ現場を見ておきたいんです。
ここ最近多発してる、人間も妖怪も関係無く無差別に突然死する事件を解決する為に」

















「やっぱりぃ〜女として見られる為には強くなる事じゃないかなぁ?」

「ええ〜?そんなのでお師匠様私のこと好きになってくれるかなぁ?」

「なるってぇ!
今はまだ弱いから保護者的な立ち位置からしか見れないんだって!
もうこの人は大丈夫って思えば、対等に見てもらえて、そこをアタックすれば女性として見てもらえるようになるって!」

とある川辺で今日の夕食の為に野草を探していた私は、少し離れた場所できゃいきゃいと高い声で楽しそうに話す女性ふたりの会話を耳を立てて聞いていた。

どうやら片方の女性の好きな人が自分の師らしく、その師が自分の事を可愛い弟子としか見てくれない事を悩んでいたらしい。
その女性の悩みに対してもうひとりの女性が「師匠よりも強くなるか、もしくは師匠が安心するくらい強くなれば相手は自分を対等に見てくれる」というアドバイスをしたのだ。

「(強く…かぁ…)」

基礎体力作りと瞑想、座学の修行しかしていない私にはまだまだ遠い夢。
私が強くなる前に師匠の方が先に好きな人が出来てしまいそう。

「………」

イヤだな。

でも、私のことを好きになってくれる可能性なんて…



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