わかばいろ

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「じゃあ構えろ」

「はい…!」

哪吒さんの指示で私は持っていた木の棒を構える。
哪吒さんも彼が持っている槍の宝貝を構え

「オレは攻撃を全部受けるだけだ。
好きに打ち込んでこい」

「分かりました!」

ぎゅっと木の棒を握り直し

「はああ!」

木の棒を振り上げて哪吒さんへと走るとひたすら彼から習った打ち込み方を実践していく。

哪吒さんは強いので私の太刀筋などすぐに見極めて受けるので遠慮なく打ち込む事が出来た。

そしてしばらく打ち込んだあと

「弱いけど最初はこんなもんだろうな」

と、哪吒さんの言葉でそれは終わった。

「なんだよ!悪くねぇじゃねぇか!
楊戩のヤローがすぐに諦めるくらいだからどのくらいひでぇのかと思えば」

「チュエねーちゃん強くなったね!」

「本当に。きっと今までの修行の成果ね!」

「チュエさん凄いっスよ!」

「頑張ってきた証拠ですね!」

口々に絶賛してくれるのは見学していた雷震子さんと天祥くん、菫星にスープーくんと武吉くんだった。

「えへへ…ありがとう」

「まだまだこれからだけど、この調子なら修行を積めばきっと戦力になれるわ」

「なんだって楊戩は才能が無いって早々に諦めたんだ?
才能あるかはオレ様には分からねぇけど、まったく無いとは思えねぇぞ?」

「楊戩さんの大切な弟子だから戦わせたくなかったとかかな?」

「でも武吉くん。ボクは楊戩さんがそんな理由でチュエさんの修行を削るとは思えないっスよ。
公私混同をせずきちっと切り替えられる人っスから」

「ボク達からも楊戩さんに言っておくよチュエねーちゃん。
チュエねーちゃんは戦えるって。強くなれるって!
だから修行頑張って!」

「ありがとう天祥くん」

無邪気に応援してくれる天祥くんにほっこりとしながら私は微笑んでお礼を言う。

「それじゃあボク達そろそろ行くっス」

と、スープーくんが背に武吉くんを乗せながら言った。

「人間界に行くんだっけ?」

「そうっス!聞き込み調査を楊戩さんにお願いされたっス!」

「過去に人間界で土人形になった人がいないか、もしくはそんな噂話を聞いたことないか調査に行くんですよ」



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