山守月天子

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「この短剣は月天子様をお守りする山守のみに与えられた短剣です。
僕は姉さんから直々にこれを貰いました」

ネジの手には特に装飾も細工もない一本の短剣。
柄の部分に山のような紋が彫られているくらいだ。

「大したものじゃないです。
これを貰ってからまだ一度も使ってないから使い込まれてるわけでもありませんし…」

「それでも大切な物なんだろう?」

「……はい。お守りです。
姉さんがくれたこの剣で、きっと助けると誓いました」

スラリと鞘から抜くと剣の刃は確かに未使用の様子で、しかし手入れはしっかりと丁寧にされておりまるで美術品のように美しい。

「きっと助けられるさ。お前とオレ達なら」

「はい…!」

ネジに短剣を返してもらうとそれを腰に付けてあるベルトにしっかりと括り付ける。
サクはローブとマントを羽織っている為背中にある短剣は基本的に見えない。
大切な物だから隠し持っているのだろう。
サクの作業が終わるのを待ってからネジが

「そろそろ行くぞ」

「はい。ネジさん!」

そう頷くサクは明るく笑っていた。














「おせーってばよネジ、サク!」

ネジとサクが拠点の仮宿のドアを開けるとこれから話し合う為にメンバーは円を作って床に座っていた。
そして入ってきた二人を見るなりナルトがイライラと不機嫌そうに開口一番に叫んだ。

「すまない。遅くなってしまった」

「すみません」

「いや大丈夫大丈夫。ナルトは今ちょっと機嫌悪いだけだから」

と、カカシがヘラヘラと笑う。

「だってサイの奴が」

「その話はまず置いておいて、だ。
ネジくんとえーっと…サク、くん…ちゃん?」

「サクとお呼び下さい」

「そ?んじゃサク。早く座りなさい。
遅くなったけどサクに自己紹介しよう」

「へ」

「まだネジくん以外俺達の名前知らないでしょ?」

「あ…」

そう言えばまだ名前を聞いていない。
サクはそれを思い出してコクリと頷いた。
ネジとサクが円の中に入って座ったのを確認してからカカシがまず名乗った。

「俺がこのチームのリーダー、はたけカカシ。ま!よろしくネ」

「ボクは……一応副リーダーってことなのかな?ヤマトだよ。よろしく」

「オレはうずまきナルト。
いずれ火影になるうずまきナルトだ!よろしくな!」

「ほかげ?」

「え゙っサク火影知らねぇの!?」

「バカッここは異世界なんだから火影の文化があるわけないでしょっ
…あ!私は春野サクラです。よろしくお願いします!」

「ボクはサイ。ちょっと名前が似てるね。よろしく」



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