そらのいろ

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「すず音、悪いけど俺しばらく留守にするんだ」

「え?」

ある日突然、カカシ先生がそう言った。

「この前会った班のメンバーと波の国まで護衛任務に行く事になってね。
しばらく留守にするから、監視は別の人にお願いしてるよ」

「良いんですか?そんな大切なこと私にお話しして…」

「ん?ま、大丈夫でしょ。
知ったからと言って君が何か出来るわけでもないし」

カカシ先生の話によると、この世界では当たり前であるチャクラというものが存在する。
だが、私にはそのチャクラがないみたいなのだ。
そのチャクラが無ければカカシ先生やナルトくん達が使う忍術は発動出来ないらしく、いよいよ密偵の疑惑も薄まってきているという。
だが念には念をと監視役のカカシ先生宅の暮らしはまだ続いていた。

「という事は…しばらくカカシ先生以外の方と一緒に過ごすんですね」

「あ、いや。さすがに家の中には入れないよ。
俺の家だし、何より女の子と2人きりなんて…って、今の状況じゃ俺も人のこと言えないか」

「カカシ先生は信用してますから」

「そんな簡単にこんないい加減な男を信用しなーいの。
とにかく、外出とか俺の付き添いがまったく無くなる代わりに遠くで誰かが監視し、家の中には入ってこずとも監視の人が近くを彷徨く事になるからね」

「分かりました。
大変でしょうが頑張って下さいね」

「多分大したことないよ。
あいつらまだ下忍だし、ちょっと遠くまで人を送る程度でしょ」

「それでもお仕事ですから。
…あ、じゃあすぐカカシ先生の荷物の準備をしましょうね。
カカシ先生がされるのならお手伝いさせて下さい」

「んー、そうだなぁ…
じゃシャツとか下着の着替えの準備をお願いしてもいーい?」

「分かりました」

すぐにソファーから立ち上がるとカカシ先生のお部屋にお邪魔して準備を始めた。
少し離れた所でカカシ先生が苦笑して「すっかり場所を覚えちゃったねぇ」とぼやいていたのが聞こえた。



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