そらのいろ
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翌日、サクラちゃんがカカシ先生の御見舞に来た。
変わらずカカシ先生は眠り続けていて少しも目を覚ます様子はない。
しきりに私を気にしてくれる彼女に安心してもらうよう笑いかけ、そして一緒にサスケくんの御見舞に向かった。
カカシ先生とまったく同じ症状。
ただ、サスケくんの方は骨折等もありさすがに医療忍術で骨折までは治せないのか包帯やらギブスやらで白く体を巻かれている。
それをサクラちゃんは悲しげに見つめ私はただ無言で寄り添ってあげる事しか出来なかった。
「…じゃあ、そろそろ帰るね」
「ありがとうございました。すず音さん」
「気にしないで。
サスケくんも大切な友達なんだから」
それを聞いてサクラちゃんはほんの少し嬉しそうに微笑んだ。
「サクラちゃんはまだサスケくんの傍にいるんだね?」
「はい」
「そっか。じゃあ、またね」
そう手を振ってサクラちゃんと別れようとした時
「あら。昨日の」
声をかけてきたのは昨日の綺麗なくの一さん。
「あ…」
「偶然ね。丁度良かったわ、ちょっと話さない?」
「すず音さん、知り合いですか?」
「ええ、まあ…」
不思議そうにくの一さんを見るサクラちゃんにそう言葉を濁す。
私はくの一さんを見ると
「分かりました」
「こっちよ」
言われた通り私は彼女の後に続く。
「すず音さん…!」
何故か不安そうに名前を呼んでくれるサクラちゃんに私は「またね」と手を振って笑顔を送りそのまま病院を後にした。
彼女に連れられてたどり着いたのは昨日の同じ場所。
木ノ葉の里の正門付近。
「今なら人も出払ってて通る人も少ないから」とくの一さんは言った。
「昨日はごめんなさいね。急にひどいこと言っちゃって。
もう察してると思うけど私はカカシが好きなの。好きな人が別の女としかも好きでもないのに一緒に暮らしてるって聞いたら普通に腹立つでしょ?確かに大人気なかったけど察してちょうだいね」
「はぁ…」
「それで?考えてくれた?」
「…………」
「カカシと別れてこの里から出ていくか。
…畳み掛けるように言うけど、貴女元々別の世界の人間なんでしょう?
そんな人がいきなりカカシの家や里にやってきて彼や様々な人に迷惑をかけてるって自覚はあるのかしら。
ここに貴女の居場所なんて何処にもないの。だったら、新しく探した方がいいんじゃない?
もしその気なら私も協力するわ」
「え?」