そらのいろ
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目を覚ますといつもの天井。
すぐ傍の窓から差し込む光は陽の高い白い光ではなく、夕日の赤い色の光。
あれからカカシさんの家に着き、病院に借りて着ていた服を脱ぐとすぐにサクラちゃん達がくれた服を着た。
サイズはピッタリ。
サクラちゃんが心配していた胸囲もきちんとサイズに合っていた。
最初に見てくれたカカシさんはにっこりと微笑んで「似合うよ。可愛い」と褒めてくれて、私は嬉しくも恥ずかしくて頬を赤く染める。
すぐにサクラちゃんに見せに行こうとしたが
「だーめ。すず音はちょっと休まないと。
鎮痛剤が効いてるだけでまだ体は完治してないでしょ。
痛みがない内にちゃんと体力を回復させて温存しておきなさい」
と、カカシさんにベッドに連行されてしまった。
おまけに部屋からも出してくれないものだから私は諦めて服を部屋着に着替えてベッドに潜り込んだのだった。
「おはよ」
真横からカカシさんの声が聞こえた。
そちらに目線を向けると忍のベストを脱ぎ、額当てと手甲も外し、さらにマスクも下ろして完全に寛ぎ状態になっている彼がニコニコとベッドに頬杖をついてこちらを見ている。
「おはようございます。カカシ先生」
「ほら。もー。
また先生呼びしてるでしょ」
「すみません、つい癖で」
眉を寄せて怒った顔をする彼に私は苦笑して謝る。
ずっと先生と呼んでいたのだからすぐには慣れない『さん』呼び。
けれど、それが私とカカシさんが恋人同士故に許される呼び方だとしたら意地でも慣れたい。
怒ったフリをするだけで実際にカカシさんが怒ってないのは私も分かっている。
彼は私の髪を優しく梳くように撫で慈愛に満ちた目で見つめてくれる。
私は体の向きを彼へと向け、手を伸ばしてその白銀の髪を撫でた。
「ずっといたんですか?」
「んーん。ついさっきね」
「起こして下されば良かったのに」
「すず音の寝顔が可愛くて見ていたかったの」
「もう…口が上手いんですから」
「えー?俺本気で言ってるのにー」
拗ねたように口を尖らせる。
まるで子供のような彼に私はクスリと笑った。