書庫2

□昼間の修行と夜の宴
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「さてと、どこで飯食うかな…」
居住区を歩きつつも悩む一護、通貨は今までの代行分と双極での協力費として山本に貰っていたので問題は無かった。
その一護の前に地獄蝶がフワリと現れる。
「俺に用か…?」
手を翳して蝶を止まらせる一護。
《今夜七時、第二居住区より東200メートル地点に隊長各全員、及び黒崎様、井上様、茶渡様、石田様方はお集まり下さい。コレは総隊長、京楽隊長、浮竹隊長の第一級厳令です。繰り返します…》
地獄蝶が伝令を伝える。
「なんだ?厳令…しかも夜?」
首を傾げつつも一護は地獄蝶を放つ。

(なんだかな…)
『どうせ宴とかだろ』
複雑な一護に朔護が言う。
(厳令出してまで?)
『奴らならばやりかねんだろう』
一護の言葉に答える斬月。
(…; 取り合えず、飯食ったら時間までまた技作りするか)
『そうだな』
『ああ』
結論付け、一護は手近な店へと入り食事を済ませる。

(んで、一応時間で来たんだけど…)
『やっぱ飲み会じゃねェか』
『全員揃ってな』
呆れて立ったまま突っ込む一護達。

目の前には既にドンチャン騒ぎをしている隊長達。
「チャド」
一人冷静なチャドを呼ばわる一護。
「一護…」
呼ばれたもののどうするべきか迷っていたチャドは現れた一護にほっとしつつ近寄る。
「取り合えず…他の奴らは?」
「井上は乱菊さんに、石田は京楽さんと浮竹さんに捕まって飲まされてる。俺は逃げて此処にいたんだ」
すぐに答えるチャド。
「…帰るか;」
「ム」
頷くチャドと共に一護が踵を返す。
「ダメよ〜、一護〜〜!!」
「ウワッッ!!」
急に一護に抱きつく一護。
「なんじゃ、一護、此処に来て飲め!!」
夜一が一護の腕を掴み、自分の傍らに無理やり座らせる。
「ちょッッ!乱菊さんも夜一さんも離してくれ!!」
真っ赤になって二人を引き離そうとする一護。
「夜一さん…」
「どうした、ワシに意見するのか?チャド」
「ム…;」
一護を助けようとしたチャドを意地悪く言って下がらせる夜一。
「一護、スマナイ;」
心底スマナそうな表情で一護に詫びるチャド。
「…いい;夜一さんには恩があるんだろ、それより逃げといた方がいい」
「ム」
一護の言葉にチャドは近くに座る。
「いいのか? ってか乱菊さんいい加減離してくれ!!」
乱菊に捕まったままの一護が訴える。
「飲むなら離してあげるわ〜vv」
完全に酔っている乱菊。
「ほれ、飲め!!」
徳利を突きつける夜一。
「わかった!のみゃいいんだろ!!」
やけくそになった一護が徳利の中身を一気に飲み干す。
「大丈夫か?」
肩で息をする一護にチャドが水を差し出す。
「…サンキュ」
その水も飲み干して礼を述べる一護。
「中々の飲みっぷりじゃったの、どうじゃ、味は?」
楽しそうに夜一が聞く。
「変に辛い…」
不機嫌に答える一護。
「ならこっちはどうだい?甘いやつだよ」
京楽がコップを差し出す。
「ん…これは美味いな」
若干認識力が落ちているのか、一護は躊躇い無く飲む。
「これはどうだい?」
今度は浮竹が差し出す。
「ん〜、濃い?」
首を傾げつつも答える一護。
「これものんでみろよ」
恋次もコップを差し出してくる。
そうやって一護は出される酒を次々と飲み干していく。
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