書庫(捧げ物2)

□三日間の総隊長代理体験
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―――なんでこんな事になってんだ……

目の前の護廷十三隊隊長達を見て一護は頭が痛くなった。
事の始まりは…1ヶ月ぐらい前だろうか。
一人の死神に会い、成り行きで代行をやらされた。
その死神…朽木ルキアが回復した後、報告と審議の為に隊長達に会ってすぐに認められた。
その代行を続けていた一護が、地獄蝶に総隊長が倒れたから見舞いに来いとの伝令を受けてこちらに着いたのが先程。
(…で、なんで隊長格が勢揃いで目の前にいるんだ)
『総隊長代理を頼まれたからだろう』
軽く現実逃避していた頭に再び浮上した疑問。
それに答えたのは己の相棒である斬魄刀の具現者の斬月、普段から冷静な彼は簡潔に答えを述べる。
『更に言えばお前にしか勤まらない、って爺さんと雀部と夜一に押し切られたからだな』
笑って付け加えるのは朔護、斬月と同じ一護の力であり虚の力の具現者。
斬月は皆に知られているが、朔護の事は隠している。
なんでも内なる虚の存在は『仮面軍勢』として忌まれる為に隠した方が良いのだそうだ。
(…いきなり総隊長代理って、無理だろ)
取りあえず心の中で突っ込んでおく一護だった。
「何を惚けておる、サッサと挨拶せんか」
「そうっスよ黒崎さん、なんか睨んでる人もいますし」
肩の上から一護の顔を覗き込む黒猫姿の夜一と一護の斜め後にいる死覇装姿(一護曰く帽子が無く違和感ありまくり)の浦原が声をかけてくる。
「ボクらが睨んでるのはアンタだけや、浦原はん」
「なんで四楓院と浦原がいるんだ?」
「一護ちゃんの隊長装は似合うけどねぇ」
「話しがズレているよ、京楽;一護君、取りあえず状況を説明してくれないかな?」
浦原の言葉に市丸、浮竹、京楽、東仙が口を開いた。
「…あ〜、三日間総隊長代理やれって。夜一さんと浦原さんは特別副官、流石に俺だけだと無理だから特例らしい。さっき山本の爺さんに頼まれた」
投げやりに答える一護。
「雀部君はどうしたんだい?」
藍染が一護に問う。
「看病に付いてもらっています」
それに答えたのは卯ノ花、そうでもしないと大人しくして下さいませんから、と溜息をつく。
「何故兄らが副官なのだ?我々が補佐すれば十分ではないか」
不満げに吐き捨てる白哉、大半の者が頷いて同意を示す。
「嫌ですねぇ、皆さんだけじゃ不安だから呼ばれたんじゃ無いっスか」
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