書庫(捧げ物2)

□虚圏の珍騒動
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見渡す限り白い、そんな建物の中。
いつも通り目立つ髪が更に目立っている気がするがそこはもうどうでもいい、問題は黒い着物をきた、目の前の餓鬼ども。
「…何がどうなってこうなってんだよ;」
溜息をついて頭を抱える一護。
無理もないだろう、目の前の子供は護廷を離反した三人の隊長+見覚えのある異様にサイズの小さい破面達なのだから。
「シャウ、説明してくれ」
目の前の暴れている子供達から目を背けて隣にいるシャウロンに問う一護。
ちなみに近くにはシャウロン、エドラド、ヤミー、ロイ、そして知らない破面数名が立っている。
「それが…」
渋面でシャウロンが説明する。
彼が言うには、今日は藍染達は研究室にいたらしい。
そして十刃を呼んだ、霊圧の測定とそれぞれの能力や個性によっての霊圧の質を調査する為に呼んだらしく、彼等以外に個性が強く多いグリムジョーの従属官も呼ばれていたのだそうだ。
そこまでは変わらず行われていたのだが…なぜか此処にいるメンバーが検査を終えてその部屋から広間などにいる時、大きく虚夜宮が揺れ、大きな爆発がこの部屋から起こった。
流石に主たちの揃っている部屋で起こった爆発に彼等は駆けつけ…この状態。
身体と精神は子供でも自分達の主と同胞、騒ぎを起こす彼等に困り果てたシャウロンたちは唯一まともに対応出来そうな一護を急いで呼びに行ったのだ。
「何とか子供化した全員をこの広間に集めたのですが…」
それでもかなり疲れたのだろう、驚きで気付かなかったが彼等はボロボロだ。
「で、俺に子守しろって?」
「君以外では手に負えないんですよ…」
「頼むよ一護〜捕まえるだけでも死に掛けたんだから…」
シャウロンに続きロイが一護に縋る。
「…どれ位で戻るんだ?えっと…ザエル?だっけ?」
科学者らしきピンクの髪の破面に問う一護、彼が薬の解明にあたるらしい。
「ザエルアポロ、ザエルアポロ・グランツだよ。一護、薬の解析とその解毒剤を作るのに二、三日ぐらいかな…解析までいったらすぐに終わると思うけど……」
何せ偶然の産物だからね、と肩を竦めるザエルアポロ。
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