書庫(捧げ物3)

□幼き王はかく語りき
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ルキアを救出した一護達は暫し瀞霊廷に留まり傷を癒した後、現世へと戻りそれぞれ短い夏休みを過ごした。
新学期も然程変わりなく始まり、時々出る虚と浦原に一護は頭を悩ませる。
力を隠したまま護廷の隊長達と仲良くなれたのは良い、しかしそのまま代行証を渡され仕事となってしまったのだ。
元々やっていた事とはいえ、いつもは授業を抜ける必要が無いのに仲間の目がある為そうもいかなくなってしまている一護。
『斬月の能力とでも言ったらどうだ?』
(石田達はともかく、浦原さんにはバレると思う;)
『私が直接出ても構わないが…』
(アイツらからしたらどの道反則技だからな;)
ここ1週間で抜け出した授業を数えるとそろそろマズイ、そう思ってもどうも出来ぬ現状に一護はため息をついた。
その一護に朔護や斬月が言うがどれも都合が悪くなってしまう。
今日とて体育の授業を抜けて虚を退治している一護、トップクラスだった成績がどれだけ悪くなってしまうか考える気も起きない。
その上、運の悪い事に幼馴染のたつきも見えるようになってきており怪しまれているのだ。
問いたそうな視線に、彼女だけなら話せるのにと一護は再びため息を付く。


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そのため息をつく一護を遠くから双眼鏡で覗く影。
二・三日前からなので一護は無視しているのだが、本人は構わず今日も見ている。
「可愛ェ子やなぁ、ほんまに俺らくらい強いんやろか?」
幼いながらも精悍な顔立ちと大人びいている表情、そして普通の幽霊達に見せる慈しみの笑顔。
この数日ですっかり虜になってしまった人影は再び双眼鏡を覗き始めた。


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