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□戦いの後、休息の前
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「…治療は終わったみてぇだな、まだ意識は戻っちゃいねぇが」
空を見上げて、白い装束に身を包んだ青年が呟く。
「心配しなくとも、じきに意識も戻る」
何処からか黒い装束の男が彼の後ろに現れ、言葉を返した。
白い青年が不機嫌そうな顔で振り返る。
「誰も心配なんざしてねぇよ、心配してたのはあんただろ。斬月」
ハッと鼻を鳴らして黒い男ー『斬月』に言うと、斬月は微かに微笑んで返した。
「確かに私は心配していた。だが、お前も心配していただろう・『一護』を」
「してねぇっつてんだろ」
怒りすら滲ませた白い青年の声を斬月は気にする素振りすら見せず、続ける。
「ならば何故、空を、『一護の心』を、気にしていた?」
静かに問う。
「…ちっ、これ以上腑抜けになられたら困ると思ってただけだ!」
そう言い捨てて彼は身を翻した。
それを見送って斬月は先刻の彼の様に空を見上げ
「…一護、お前はお前が思う程、器が狭くは無い。むしろ我々が自由に活動出来る程広い。無意識に我々を受け入れている証拠だ」
「奴の事すらお前は真に拒絶してはいない、後は奴自身と向き合うだけでお前はもっと強くなれる、一護」
静かに語りかける。

まだ空は沈黙している。
再び動き出すまで、後、少し−−−



あとがきと言う名の謝罪
時間軸としては双極から救護室に移された直後辺り。
当家の白い彼は強いけど感情に走り易いため、普段は落ち着いている斬月さんの方が一枚上手です。
白い彼の名前はまた他の話で。

こんな感じで駿の小説は進んでいきます、ここまで読んで下さりありがとうございました!

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