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□休息と状況把握
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「……」
(此処、何処だ?)
まだ少しぼぅっとした頭で考えながら、視線を巡らす。
(白い部屋…病室っぽいな、傷は井上が治してくれてたような…?)
「気が付いたようですね、気分はどうですか?一護さん」
ガチャ、と扉を開けて黒髪を前に結っている女性とどこか気の弱そうな長身の女性が入って来た。
「あぁ、傷と体がダルい程度だけど、あんたは?」
そう言いながら体を起こし、一護が逆に問う。
「確かに、自己紹介がまだでしたね。私は四番隊隊長、卯ノ花 烈、そして此方は副隊長、虎徹 勇音」
黒髪ー卯ノ花が言うと、後ろの勇音が軽く会釈する。
「そっか、俺は、知ってるみてぇだけど黒崎一護だ。よろしくな」
頭を掻きながら、律儀にそう言いつつ会釈する一護にいつもよりも笑みを濃くする二人に一護もつられたように笑みをこぼす。
「「っ/////」」
直視した二人は思わず赤面したが、一護は急に黙った二人を見て首を傾げ、
「そういえばさ、勇音さん、だっけ?一応は手加減したつもりだったんだけど…痣とかになってないか?」
そう思い出しだように、勇音に聞いた。
「え?あっ大丈夫です!元々体は丈夫ですし!」
急いで答える勇音を見て一護が少し笑い、卯ノ花へ視線を向け
「そっか、良かった。なぁ、俺らはどうなるんだ?罰なら俺だけにして欲しいんだけどさ…」
真剣な声で問う。
卯ノ花は微笑み、
「罰などありません。それから、他の方々はほとんど傷が治り、それぞれ瀞霊廷を散策していますよ。」
そう一護に答えた。
「それから勇音、皆さんに一護さんの意識が戻った事をお知らせして来て下さい」
それに勇音が頷き、部屋を出るのを見届け、再び一護が卯ノ花に問う。
「じゃぁ、もう一つだけ聞かせてくれるか?花太郎とかもお咎めなしになるのか?」
なお他人を心配する一護に瞠目した卯ノ花だが、すぐに答えを返した。
「えぇ、今回の事は全て不問とし、今後について検討するというのが隊首会で決定しましたから。それに今は藍染の動向を遡る事に重点が置かれていますし」
そう苦笑するが、一護が少し考える素振りに首を傾げた。
「なぁ、ルキアがこっちに見つかってからの藍染の行動なら、あいつが勝手に話した事で良ければ大体覚えてるぜ?」
一護がそう申し出ると卯ノ花は再び瞠目してしばし考えると
「今日の隊首会でその旨を伝えておきましょう、ですから、今日はもう休んで下さいますか?長く話し過ぎましたからね。」
そう微笑んだ。
「あぁ、わりぃけどそうさせてもらうな。あと、これからよろしくな、卯ノ花さん」
一護は軽く会釈し、
「こちらこそよろしくお願いしますね、一護さん。それでは」
卯ノ花も軽く会釈をすると部屋を出た。
それを見届け、一護はベットに横になり、落ちるように眠りについた。


あとがき
駿の中では卯ノ花さんは数少ない常識人
一護に関しては非常識になります。

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