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□休息にならない休息
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「ん〜、よく寝た。」
一護が起き上がると同時に
『やっと起きたのかよ、一護』
『もう起きていいのか、一護』
それぞれ己の内から声がした。
「あぁ、おはよ、斬月、朔護。」
『おはよう、一護』
『おはようさん』
それに挨拶を交わす。
『一護、一応言っとくが、声出さなくても思えば俺らには聞こえるんだぞ。』
朔護が面倒そうに言った言葉に
(そうなのか?)
試しに一護は思ってみる。
『あぁ、私達はお前の精神世界にいるからな』
『独り言が多い奴になんなくて良かったなぁ』
斬月の答えと朔護のからかいに眉を寄せている一護だったが、
『誰か近づいて来てるな』
朔護の言葉と外の音に扉に目を向ける。
………・・・・・・ドタドタドタッ・バンッ!!
ほとんど蹴破られる勢いで扉が開くと、そこにいたのは空鶴と岩鷲。
「な、な…」
その音と勢いに驚いている一護を見て、ズカズカと傍に来た空鶴。
「なんだ、元気そうじゃねぇか。怪我の具合はどうだ?」
そう顔を覗き込む。
(やっぱ綺麗な顔してんなぁ、こいつ。眼福、眼福。)
何気に気に入っていたらしい一護の見舞いに来て、さっそく間近で顔を見ている。が、一護がすぐに返事しないので機嫌が悪くなっていく。《いきなり顔を覗き込まれて驚いているだけだが;》
「怪我の具合はどうだってきいてんだろうが!返事はどうした!!」
そう言って一護の頭を掴んで更に自分に近づける。
「オカゲデジュンチョウニカイフクシテイマス。」
勢いに押されて答える一護の頭を離し、満足そうな顔の空鶴。
「おし、なら良い。俺らは流魂街にいるから出歩けるようになったら遊びに来い!いいな!!」
「ゼヒイカセテイタダキマス」
未だ固まっている一護をきにせず、空鶴は岩鷲に向き直った。
「よし、戻るぞ岩鷲!」
「え!まだ俺一護と話してな」
「ガタガタ言ってんじゃねぇ」
ゲシッ!!!
「ゴメンナサイ!」
何かを言おうとした岩鷲を蹴り飛ばし、
「じゃ、またな」
と、ある意味誰より男らしく去っていく。

『大丈夫か?一護?』
『相変わらず最強だな、空鶴さん』
(びっくりした…つーか何しに来たんだ;)
『『見舞いだ(ろうな)(と思うが)』』
『ほら、そこに見舞い品があるぜ』
朔護の言う通り、ベットの横には空鶴が(いつ置いたか解らないが)置いたであろう包み。
「なんだ?結構重いぞ」
一護が丁寧に包みを解くと、馬鹿でかい酒瓶と些か多めの食物。
(空鶴さんらしいな)
と一護は思わず苦笑した。
『すげぇな、全部酒の肴だぜ』
『どうするのだ?』
(あー、取りあえず、卯ノ花さんとかに食っていいか聞く。んで、酒は一角とかにやる。)
『それが一番だろうな。』
『今から聞きに行くつもりか?』
(いや、食料も日持ちしそうなのばっかだし。何より疲れたから、寝る。)
『あぁ、それもそうだな』
『ゆっくり休め』
(オヤスミ、朔護、斬月)
『『オヤスミ、一護』』
知らず体に入っていた力を抜き、スッと一護は眠りに落ちた。


あとがき
空鶴さんは一護が気に入っています。
そして、傍にいた岩鷲に少なからず嫉妬し、尚且つ守れなっかた事に腹を立てています。

ちなみに朔護は岩鷲が結構嫌いです。(嫌いだけど何故かは現時点では自覚なし)
一護に喧嘩吹っかけて負けたくせに一緒(瀞霊廷に激突しそうになった時は互いに掴み合ったし)にいて、同格の扱いされているから。(基本、負けたら下。自分の力量をわきまえていないのは雑魚の証拠。的な考え方してます。)

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