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□隊長と学生A
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「今から昼休みになりますが、隊長殿はいかがなさいますか?」
「適当に校内回る」
「なら、是非ご案内を…」
「いや、前にも来た事あるし、大体憶えてるからいい」
「そう、ですか。では、また後ほど」
「ああ、ご苦労さん」
多少の落胆を示しつつ下がる教員と別れ、やっと一人で校内を歩き始める一護。

(さて、面白い奴も見つけたし。そいつらの所に向かうか…)
そう思いつつ、職員室から近くにいる奴から順に霊圧を探って位置の見当をつける。
『早速、接触するのか?』
(ああ、癖のある奴ばっかだったからな…)
『そういう奴ばかりだろう?お前の周りは特に、な』
(言うなよ;)
『しかし、少なからず癖があるような奴でなければ高みへは来れないだろう』
(まぁな…、特に隊長格になるような奴は癖があった方が良い位だからな;)
『逆に言えば将来有望株ばかり、という事だな』
(…取り合えず個人の性格の把握から、だな)
『ああ、お前が相手ならばすぐに素直になるだろうがな』
(? そうか?)
『まあ、すぐにわかる』
(そうだな)
『(自覚が無いのも困ったものだな…)』
やれやれ、と一護に気づかれぬ程度に溜息をつく斬月と、それに気づかず目的の教室に着いた一護。

「…ここだな。なぁ、浮竹と京楽いるか?」
と教室の出入り口にいた生徒に話かける一護。
「く、黒崎隊長!?!?」
いきなり声をかけられた生徒が驚いて大声を出すと、クラスの全員がコチラを向いて、目を見開いた。
「えっと…、浮竹、京楽、ちょっといいか?」
「「はい!!」」
一護がさっさと呼ぶと、嬉しそうに傍によってくる二人。
「なんでしょうか?黒崎隊長!」
「昼、良かったら一緒に食わねぇか?」
「喜んでご一緒させていただきます!!」
聞いてきた浮竹に答えとして問うと、すかさず京楽が答え、二人ともすぐに弁当を持って来た。
「じゃ、行くか」
「「はい!!」」
と三人で廊下を歩き始める。
「どっか飯食うのにいい場所知ってるか?」
そう聞く一護に対し、
「中庭の隅で木陰のいい場所がありますよ」
そう答える浮竹。
「じゃあ、そこで食うか。 なあ、二人共、人数少し増えてもいいか?」
「別に構いませんが…、誰か誘うのですか?」
「ああ、他にも話してみたい奴らがいてな…」
「黒崎隊長がそう仰るのでしたら…」
「悪いな、じゃあちょっと寄ってくな」
と、一年の教室に向かった。

「あれ、隊長さんこんな所で何してはるん?」
「どうかしたのですか?」
そう言って他の生徒の視線を無視して市丸と藍染が話かけてきた。
「お前らと昼、食おうと思ってな…いいか?」
と、一護は軽く誘う。
「光栄ですね」
「ほな、よろこんで」
そう言う二人も加えると、そこを通り掛かった卯ノ花も呼び止める。
「卯ノ花、お前も来れるか?」
「はい、是非ご一緒させて下さい」
そうして最後に三組に顔を出し、
「浦原と夜一、お前らも一緒に昼、食うか?」
と誘いをかける。
「もちろんっス」
「ワシもじゃ」
そう言った二人も加わると、
「じゃ、浮竹、案内してくれるか?」
そう言って八人で中庭へ向かった。
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