書庫2

□家庭訪問?B
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「黒崎隊長!!申し訳有りませんが今日は京楽をお願いします!!」
「お、おう、わかった;」
「ありがとうございます!!」
学院に来て早々に泣き付かれた一護、すぐに京楽家に向かう。

『一体何事だ?』
(さぁな。大方、成績表が無ェって保護者から苦情が来てんだろ)
『京楽家は上級貴族、文句を言われれば謝るしかないという訳か…』
(だろうな、情けねぇ)
『仕方なかろう』
(そうだけどな…、そろそろか)
『あれだ』
京楽の家に着いた一護。

「どちら様で御座いましょうか?」
「学院の講師、黒崎 一護だ。京楽 春水の家庭訪問に来た、取次ぎを頼む」
出てきた女中に一護が言う。
「かしこまりました、少々お待ち下さい」
「一護先生!!どうしたんだい、一体…取り合えず上がってよ」
頭を下げた女中の後ろから、顔を出して言う京楽。

「黒崎隊長!如何されたのですか!?」
客間に来た一護を見て、京楽の父親である当主が驚く。
「春水の家庭訪問、ほら、成績表」
当主に成績表を渡す一護。
「一応講師として学院に行っててな、それで山本の爺さんに頼まれて来たんだ。見ての通り成績の面では文句無し、取り合えずはちゃんと授業も受けてるし、浮竹と切磋琢磨してるから修行もしっかりしてる…学院生活の方は、ま、許容範囲で遊んでるから大丈夫だろ」
「は、態々恐れ入ります。この馬鹿者には勿体無いお言葉…」
当主は深々と頭を下げる。
「そういう訳だ…後は俺個人としてこいつと話したいんだが、構わねぇよな?」
「この馬鹿者でよろしければ何なりと…春水、ご無礼の無いようにしろ。 では、どうぞごゆっくり」
「ああ、話が済み次第俺は帰るから」
「はい、失礼致します」
もう一度頭を下げ、当主は出て行く。
「偉いんだね…一護先生」
感心したように京楽が言う。
「向こうが勝手に畏まってるだけだ、俺は一隊長に過ぎねェよ」
「そうは見えなかったけどね…、ところでどうして一護先生が来たんだい?」
少々憮然としていう一護に京楽が首を傾げる。
「お前が二者面談を放棄したからだろ;」
「あははは、ごめんね、一護先生の手を煩わす気は無かったんだけど…」
「もう少しは教師の言う事を聞いてやれ…」
「一護先生が言うならそうするよ」
溜息をつく一護に京楽は上機嫌に返す。
「まぁ、学院の方はそれでいいとして…『花天狂骨』とはどうだ?」
「ん〜、結構仲良くなったよ」
一護の問いに京楽は笑って答える。

(本当か?)
『かなり否定しているように見えるが…』
(…;)

「嘘付く奴はあんまり好きじゃねェんだけど?」
口の端を笑むように上げ、一護は言う。
「や、嫌だな…ボクが一護先生に嘘なんて;」
「京楽、俺が日常的に斬月と話してる事は知ってるよな?その斬月が大まかとは言え斬魄刀の喜怒哀楽を感じ取れるってのも。それとも、『花天狂骨』に直接聞くか?」
目を泳がせる京楽に、一護は言い募る。
「ごめんなさい;仲は悪くは無いけどもっと真面目にやれって常に怒られてます;」
「…なんで仲が良いってだけ言ったんだ?」
謝る京楽に聞く一護。
「ボクとしては真面目にやってるつもりでも、もっと真面目にやれって言うから…」
項垂れる京楽。
「そりゃ、生活態度の事じゃねェか? それに、お前の心情なんて筒抜けなのに無理なんて言われないだろ、もっとちゃんと話してみな」
「そうだね…」
まだ若干拗ねている京楽。
「お前らには期待してんだ、ちゃんと向き合って強くしてもらえ。そんで、高みへ来い」
「はい!!」
静かに言葉を紡ぐ一護に、京楽はしっかりと返事をした。
「じゃ、俺はそろそろ行くから」
「態々ありがとね、一護先生」
「おう」
そう言って京楽と別れ、一護は隊舎へと戻る。

(これで少しは真面目にやるだろ)
『「花天狂骨」も最後には嬉々としていたからな』
(どんだけ伸びるか、楽しみだな)
『ああ』


あとがき
京楽終了〜〜〜。
親ってどうなんでしょうね?(聞くなよ)
 

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