書庫2

□八番隊隊舎にて 
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(京楽さん、だったか?八番隊は)
『ああ、良く憶えてたな?なんかあったか?』
『直接は関係無かったと思うが…』
(双極の破壊と、チャドを助けてもらったからな)
『そういや、チャドが言ってたのは京楽だったな』
『挨拶と礼を述べに行くのか』
(そのつもりだ。…此処か)
少し早足で八番隊の隊舎へ来た一護。

「どうかなさったんですか?」
「あ?アンタは、確か…双極の所にいた…」
隊舎の中に入ろうとした一護に、七緒が声を掛けた。
「申し遅れましたね、私は八番隊副隊長の伊勢 七緒といいます。それより、うちの隊に御用ですか?」
礼儀正しく自己紹介する七緒。
「初めまして、七緒さん。俺は聞いてるみてぇだけど、黒崎 一護。此処には隊長さんに挨拶に来たんだ」
一護もしっかりと自己紹介をして言う。
「そうなんですか…、隊長は今、その…見当たらなくて;」
言葉を濁す七緒。
「?」
その様子に一護は首を傾げる。

『もしかして、探してるんじゃねぇ?』
(京楽さんがいなくなったって事か?)
『おそらくだが…仕事から逃げたのだろう』
(…;)
朔護と斬月の言葉に、一護は暫し考える。

「なぁ、良かったら探すの手伝うぜ?」
「え? いえ…執務室で待ってて下されば私が連れて来ます」
一護が言うと、七緒は慌てて首を振る。

(霊圧で探せないか?)
『会った事が無ェとな;』
『いや…双極で見ただろう。微かだが、向こうにいるのがそうではないのか?』
(サンキュ)
内で会話し、その方向に一護は目を向ける。

「向こうって何があるんだ?」
「あちらは市街地で、飲食店が多い地区ですね。ご案内しますか?」
「頼んでもいいのか?」
「もちろんです、さ、行きましょうか」
「ああ」
七緒の案内で、店が並ぶ通りを歩いていく一護。

『そこだな』
『店ん中に隠れてるぜ』
(わかった)
和菓子屋の前で立ち止まる一護。

「和菓子、お好きなんですか?」
「ああ、甘いのは好きなんだ。ちょっと寄ってもいいか?」
立ち止まった一護に七緒が聞き、二人で中に入る。
「綺麗な見た目のばっかりだな…」
「ええ、瀞霊廷の和菓子屋でも此処は老舗で、美味しいと評判なんです」(一護さんの方が綺麗ですけど…)
楽しげに店内を見る一護に、七緒が微笑みながら説明する。

『奥、裏から逃げようとしてんぜ』
『すぐに見える筈だ』
(おう)

「なぁ、もうちょっと奥も見ていいか?」
「奥は座敷で食べる場所になって…って京楽隊長!!」
指差す一護に説明していた七緒が京楽に気付いて怒鳴る。
「どこにいらしてるかと思えば!!さっさと仕事に戻って下さい!!」
素早く京楽の襟首を掴んで引き摺る七緒。
「っちょ、痛いってば七緒ちゃん!!」
「煩いですよ京楽隊長!縛道の一『賽』!!」
「え!!流石にこれは酷いってば!!ねぇ!」
身動きを封じて七緒は京楽を運ぶ。
「手伝う、重いだろ?」
京楽を担ぐ一護。
「ありがとうございます、一護さん」
「どういたしまして」
そうしてすぐに執務室に着く三人。
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