書庫2

□家庭訪問?C
1ページ/1ページ

「今日は…浮竹に行かせてもらう、いいよな」
「「「「は、お願いします!!」」」」
頭を下げる教員達の後に、一護は学院を出る。

『決めていたのか?』
(ん? ああ、浮竹の事か。決めてたっていうより…後は寮に残ってるからな、それだけだ)
『そうか』
(おう ここいらか?)
『あれだ』
(だな)
静かな佇まいの屋敷、浮竹の家に着いたところで、二人は話を切った。

「黒崎隊長!!当家に何か御用でしょうか?」
玄関で浮竹の父親で、当主が一護を出迎え、驚きつつも客間へと案内した。
「十四朗の家庭訪問に来ただけだ、そんなに固くならなくていい」
「は。今、十四朗を呼びに行かせましたので、まもなく顔を出すと思いますが…黒崎隊長自ら家庭訪問ですか?」
一護に丁重に聞く当主。
「まぁ、講師だけどやっててな。それと、爺さんが気に掛けてるし、俺自身もアイツを気に入ってるからな」
「愚息には勿体無いお言葉…身に余る光栄で御座います」
当主は深々と頭を下げる。
「一護先生!!どうして此処へ?」
襖が開き、慌てた様子の浮竹が部屋に入ってきた。
「十四朗!黒崎隊長の御前、静かにしなさい!」
「あ、はい、すいません、一護先生」
当主の言葉に、浮竹は謝りつつ座る。
「今日は家庭訪問に来たんだ、ほら、成績表」
浮竹に渡す一護。
「後で見ればわかると思うが、成績、生活の両面とも良好。問題点も特になし…後は個人的に斬魄刀の話をしたいぐらいだな、そっちからは何かあるか?」
一護は簡潔に言う。
「いえ、私は下がりますので、どうかごゆっくりなさってください、黒崎隊長」
「ああ、そうさせてもらうな」
「は、それでは」
再び深く頭を下げ、当主は下がる。
「一護先生…本当に隊長というだけなのですか?」
父親の態度に困惑する浮竹。
「そうだって言ったろ…、アイツが大仰過ぎるだけだ、それより、なんで二者面談に行かなかった?」
「あ〜、それは、その…」
一護の問いに浮竹は目を逸らす。
「面倒だった、とか言うのか?」
「いえ、一応は行こうと思ってたのですが…、対話をしていて、時間が過ぎてしまてて;」
気まずそうに言う浮竹。
「今度から気をつけろよ;」
「はい」
一護の言葉に素直に浮竹は頷く。
「じゃ、もう行くからな」
「ゆっくりされていかないのですか?」
「ああ、隊長の仕事も少しあるから」
「態々申し訳有りませんでした」
「気にすんな、俺も結構楽しんで来てるし」
「そうですか…では」
「おう、またな」
そう言って一護は浮竹と別れた。


「もうお行きになられたのか?」
「ええ。しかし、一護先生は一体…只の隊長というようには見えなかったが…」
当主と浮竹は話す。
「あの方は入隊してすぐに三席となり、最短で隊長になったお方だ。そのお人柄と強さは最早伝説に近い…何より、十三隊の特別零隊を創ったという事は、それだけの発言力がある証拠でもある、総隊長と肩を並べていると言われる程にな」
「そんなに…」
当主の語る事実に只目を丸くする浮竹。



あとがき
駿の設定では浮竹の父親はどこかの隊の十席あたり。
平隊員からも、席官からも尊敬と崇拝を受けている一護。
だから親達は一護に対して平身低頭で、尊敬を表しています。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ