書庫2

□十番隊の隊舎にて
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「あら〜、一護じゃない、どうしたの?うちの隊になんか用?」
十番隊の隊舎の近く、一護に声を掛けてくる女性。
「いや、隊長さんに挨拶に来たんだけど…アンタは?」
「ああ、ごめんね〜自己紹介まだだったわ〜。アタシは松本 乱菊、十番隊の副隊長なのよ。よろしくね」(近くで見るとホンットに綺麗で可愛いわ〜)
戸惑う一護に笑いながら自己紹介をする乱菊。
「こちらこそよろしくな、乱菊さん。隊長さんは執務室か?」
「そうよ、行くの?」
「ああ、一応挨拶に回ってるからな」
「そう?じゃ、アタシは向こうの方に用があるから〜」
「おう、またな、乱菊さん」
「また遊びに来てね〜一護」
そう言って乱菊は市街地の方へと向かって行く。

(なんか…霊圧が流れて来てんだけど;)
『誰かが怒りで霊圧増幅してんだろ』
『お前ならば平気だろう』
(確かに感じるだけで問題は無ェけどな)
『ならそのまま進んじまえ』
(そうだな)
執務室に向かいつつも話す一護達。

「あ、あの…」
執務室まで後数メートルという場所で、書類を抱えた数人が立ち止まっており、その内の一人が一護に声を掛けてきた。
「なんだ?入っちゃいけないのか?」
止められ、入室禁止なのかと首を傾げる一護。
「いえ、この先に進めれますか?隊長達と同じ位強いと伺ってますが…」
恐々と聞いてくる隊員。
「進めるけど…なんかあんのか?」
隊員の意図が読めずに一護は更に聞く。
「私達ではこれ以上進めないんです…霊圧に負けて気絶するか歩けなくなってしまって」
申し訳なさそうに言う。
「そっか、それで?頼みたい事があるから話しかけたんだろ?」
一護の言葉に隊員達は顔を見合わせる。
「書類を届けて欲しいんです、あと…出来れば隊長に霊圧を収めて下さるように頼んでいただけませんか?」
そう言って隊員達は頭を下げる。
「それくらいならいいぜ、それを届けりゃいいんだよな?」
「はい!!お願いします!!」
隊員の持っていた書類を受け取り、一護は執務室へ向かった。

「失礼します」
言いつつ扉を開ける一護。
「お前…確か黒崎とか言ったな、どうかしたのか?」(綺麗な奴だな…)
一護を見て驚き、霊圧を収める隊長。
「隊長さんに挨拶に回ってんだ。それと頼まれ物」
ホイっと書類を机に置く一護。
「取り合えず、俺は日番谷 冬獅朗。十番隊隊長だ。なんでお前が頼まれたんだ?」
書類を一瞥し、一護を見る冬獅朗。
「俺は黒崎 一護。お前の霊圧で此処まで来れねぇって、そこの廊下で隊員の人に頼まれたんだよ」
一護は廊下を示して言う。
「そうか、すまなかったな…副官が仕事サボってどっか行きやがったからムカついててな;」
頭を掻きつつ言う冬獅朗。
「副官って乱菊さんだろ?さっき向こうに用があるって行っちまったけど…」
一護が首を傾げる。
「松本…堂々とサボりか…!!!」
霊圧を上げて怒る冬獅朗。
「…取り合えず霊圧抑えろよ、廊下にいる隊員達が倒れるぞ?」
呆れ気味に一護が言う。
「そうだな…」
溜息をついて霊圧を納める冬獅朗。
「良かったら手伝うか?書類運びとか、仕分けぐらいなら出来ると思うし」
書類を覗き込んで一護が言う。
「いいのか?」
冬獅朗が驚く。
「ああ、じゃ、そこの机借りるな」
「頼む。…いらん物は下に捨てていい、松本の私物だ」
最後に怒りを滲ませつつも冬獅朗が言う。
「…; わかった、片付けてからやる」
手早く片付け、書類に目を通し、仕分けを始める。

「終わった…」
「お疲れさん」
机に突っ伏した冬獅朗の横から書類を取り、まとめる一護が苦笑しつつ労う。
「これで最後だ、よろしくな」
「はい!!」
まとめた書類を隊員に渡す一護。
「助かった、いつもの倍以上の早さで終わった。ありがとう、一護」
「冬獅朗の仕事が早いだけで俺は大してやってねェよ」
冬獅朗の言葉に一護は微笑で返す。
「〜ッ////// …手伝わせた侘びというか、礼がしたい、なんか欲しい物とかあるか?」
一護の笑みに赤面しつつ、冬獅朗が聞く。
「別にねェけど…。そうだ、それなら飯、奢ってくれるか?」
提案する一護。
「それでいいならいいが…好きな食い物とか、食いたい物あるのか?」(一護と話せる…!)
冬獅朗は内心でガッポーズを取りつつ表面に出さないで聞く。
「甘いモンは大抵好きだな、嫌いなのもねェし…食いに行く所は任せる」
「わかった、じゃ、行くか」
「おう」
隊員達に先にあがる事を伝え、隊舎を出る二人。
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