書庫2

□家庭訪問?F
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「最後の市丸です。お願い致します」
深々と頭を下げる教師。
「ああ、わかってる」
成績表を受け取り、一護は寮へと向かう。

(やっとラストだ;)
『市丸か』
(あいつも何かしら油断出来ないんだよな;)
『隙を突かれなければいい』
(ま、そうだな)
会話をしつつも市丸のいる部屋へ近づいて行く一護。

「市丸、ちょっといいか?」
「はい、一護先生。どないしはりました?」
扉を開け、市丸が一護を迎え入れる。
「成績表、渡しに来たんだ。二者面談を拒否ってくれたらしいからな」
成績表を渡しつつ、笑みを浮かべて言う一護。
「へェ、せやかてボクより弱い人に説教されたないですもん」
拗ねたように市丸が言う。
「でもな、市丸。弱そうに見えても力がある奴もいるんだぜ?なにより、聞くべき事は聞け」
ス、と目を細めて真剣に言う一護。
「一護先生がそういわはるなら」
渋々とだが頷く市丸。
「そうしてくれ。…話は変わるけど、『神鎗』とはどうだ?」
神鎗を指し、一護が聞く。
「せやね…仲はええんけど、どうも上手くいかないんよ。どないしたらええとおもいます?」
首を傾げつつ一護に市丸が訊ねる。
「どうって、向こうはなんて言ってるんだ?」
「使い方を考えろとか、色々とボクに文句を言ってくるんですわ。一々取り合えませんて」
一護の言葉に不満げに答える市丸。
「それだけ使い方を教えたがってるって事だろ。全部、じゃなくて、一つづつ聞いて直してけばいい」
「そうさせていただきます、ありがとうございました」
「頑張れよ、それじゃ、俺はもう行くな」
「それじゃ、また」
市丸と話を終え、一護は隊舎へと戻っていく。

(関係は良好、とはいかないか?)
『上手く、とはいかずともちゃんとやるだろう』
(そうだな)
『奴は実践派だろうからな』
(相手に同情するな;)
『運が無いという事だ』
(それを言っちゃおしまいだろ…)
『事実だろう?』
(まーな;)
先を思いやる二人。



あとがき
「家庭訪問?」ラストです。
「?」がつくのは寮に残っているのがいるから。(いまさらですが;)
 

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