書庫2

□昼間の修行と夜の宴
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「一護さん、お届け物ですよ」
扉を開け、顔を覗かせる花太郎。
「おう、アリガトな花太郎。ところで誰からだ?」
首を傾げて一護が聞く。
「総隊長からです」
花太郎が言いながら包みを渡す。
「山本の爺さんか…、教本のセット、本当にくれるんだな」
包みを開け、一護が笑う。
「//////、一護さん?」(本当に可愛い///)
笑う一護に花太郎が頬を染めつつも首を傾げた。
「俺、鬼道とかわかんねェから良かったら教えてくれってこの前言ったんだ。そしたら教本をくれるって言ってくれてさ…こんなに早く読めるとは思わなかった」
教本を眺めながら言う一護。
「そうだったんですか…、それじゃ、僕はこれで」
「ああ、態々ありがとうな」
「いえ…また用があれば言ってくださいね」
頭を下げて花太郎が出て行く。

「俺も行くかな」
ざっと教本全てに目を通し、一人零して部屋から出て行く一護。

「到着っと、『斬月』『朔護』」
双極の下の修行場に着き、一護は二人の名を呼ばわる。
「勉強すんじゃねェのか?」
姿を現し聞く朔護と、口に出さぬままに一護を見やる斬月。
「勉強だよ、でもこれは実践した方が憶えるの早そうだからな」
一護が教本を渡して言う。
「確かに実践のが早いな」
「加減は後、とにかく覚える気か」
教本を一瞥するだけで一護の言いたい事がわかった二人。
「と、いう訳で指導と付き合いよろしくな」
一護がそう言って笑う。
「おう、それじゃ、まずは全部見せるから見て憶えろ」
「それから詠唱を覚え、出来たら詠唱破棄に入るぞ」
「ああ、頼む」
「縛道の一『塞』…」
それぞれの言葉に一護が頷き、斬月が結界を張ると、朔護は順に鬼道を放つ。

「これで一通り終わったけど…やっぱ、加減を憶えた方がいいか…」
穴だらけの周りを見て一護が呟く。
詠唱破棄でも一護の鬼道はかなりの威力だった。
「一発で全部憶えた事はスルーかよ」
どこか嬉しそうに苦笑する朔護。
「暗記モノは得意なんだよ。それより、これ以外に鬼道って無ェの?」
不満げに言う一護。
「これで全部だな」
「何故そう思うのだ?」
教本を投げる朔護と、一護に聞く斬月。
「いや、もっと色々と出来そうだな〜と思って。ってか教本投げんな;」
「んじゃ作るか」
一護の言葉に朔護がアッサリという。
「作れんの?」
不思議そうな一護。
「元々死神達の祖が作ったモノ、新たに作る事が不可能な訳は無い」
斬月が澱み無く言う。
「そういやそうだな…、じゃ、試してみっか」
楽しげに手に霊圧を集中させる。
ゴッ!!
急激に風が一護の下に集まり始める。
「何をイメージしてんだ?」
それを眺めつつ暢気に聞く朔護。
「炎渦」
簡単に答え、一護は更に神経を集中させる。
ゴォッッ!!!
一気に炎が辺りを焼き、急激に納まる。
「出来るもんだな」
妙に感心して呟く一護。
「もっと色々とやってみようぜ」
「思うままに試してみろ、一護」
朔護と斬月が一護の傍らに来て言う。
「おう!」
元気良く答え、一護は試行錯誤を繰り返し、それに時々朔護や斬月が意見や助言をした。

「結構色々と出来たな」
満足げな一護。
「そろそろ一回戻ろうぜ」
「休憩も必要だからな」
「わかった、んじゃ一度戻るか」
二人の言葉に従い、一護は修行場を離れる。
同時に姿を消す二人。
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