書庫(捧げ物)

□現世の洋服
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「で?何処行くんだよ」
「まずは恋次を向かえに浦原商店だ!」
ルキアに引きずられるように浦原商店へ向かう一護。
「よお、一護、ルキア」
浦原商店の前、恋次が既に立って待っていた。
「浦原さんは今寝てるから、今の内に行こうぜ」
そう言って一護の隣に来る恋次と
「よし、丁度良いな。行くぞ一護!」
その逆側から一護を引っ張るルキア。
(なんなんだ一体;)
渋々歩く一護。

「ここいらか…」
「うむ!」
「街まで来てなにすんだよ;」
満足気な二人にもはや呆れが入ってる一護が聞く。
「なんだルキア、言って無かったのか?」
「言ってなかったか?」
「聞いてねェ…」
すっとぼけるルキア。
「俺とルキアの現世での服、選んで貰おうと思ってな」
恋次が言う。
「なんで俺なんだよ;」
面倒臭そうに言う一護にルキアが食いつく。
「貴様が一番暇そうだったのだ!!」
「そーかよ…でもルキアは井上に頼んだ方がいいんじゃねェか?女物なんかわかんねェし」
諦めのスピードが早くなっていく一護が言うと
「妹達の分は選んでいたではないか!!」
なぜか怒り出すルキア。
(確かに昨日、一緒に買い物したけどよ…;)
怒る意味が分からない一護は黙ってしまう。
「ま、そういう事だ。今日一日付き合え」
そうルキアを宥めつついう恋次。
「決定かよ;」
溜息をつきつつも引きずられて行く。

「ここは?」
「カジュアル専門店だ」
「「かじゅある?」」
「動き易い、普段着の事だ」
「「じゃ、ここで」」
(安易な;)
と、店の中に入って行く三人。

「これなんかどうだ?」
「いいな、他にも二、三着選んでくんねェ?」
「っと、それじゃあ…これとこれとか」
「おう、じゃ、払ってくる」
一護が選んだ三着を持ってレジに行く恋次。
「恋次の奴、今日なんかいい事あったのか?」
恋次が見えなくなると、一護はルキアに聞く。
「…浦原の奴に今日は会わなくていいから機嫌が良いのだろう」(言わずにおくか)
先に恋次のを選んだ事に少なからず怒っていたルキアは恋次に塩を送る真似などする訳も無く、一護もルキアの言った事に心当たりがあるため疑う事なく頷く。
「買って来たぜ」
そうしているまに恋次が戻ってきて、ルキアの服を選ぶ為に女物の売り場に向かう。

「ルキア、ちょっと向こうむいてくれ」
「? こうか?」
「ああ、…これじゃデカイな」
「なんだ?」
「肩幅、デカイの着るとダブダブになっちまうからな。 恋次、そこの青いジャケット、取ってくれ」
「…これか?」
「ああ。 これと、このシャツ」
「おお、中々良いではないか!!」
「そりゃどうも、あとはこれとかか?」
「うむ!では買ってくる」
そう言って走って行ってしまうルキア。
「なんか妙に機嫌いいな;」
「買い物ってんで浮かれてんだろ」
ルキアと同じような答えを返す恋次。
「そういうもんか?」
「女は大体そうだろ」
「ふ〜ん」
納得したのか、していないのか分からない返事をする一護。
「それより一、ダッ!!」
「戻ったぞ、一護」
「お、おう;大丈夫か?恋次;」
何かを言おうとした恋次に帰ってきたルキアの蹴りが入った。
「[何しやがる]」
「[私のいない間に一護に接近しようとするからだ]」
小声で言い合う二人。

「あれ?一兄、どうしたのこんなとこで」
と、誰かが一護に話しかけて来た。
「夏梨、お前こそどうした?」
「あたしは遊子と翠子の誕生日プレゼント買いに来たんだ、一兄は?」
「俺はコイツらの買い物に付き合ってたんだ、遊子は?」
「遊子は向こうにいる、終わったんなら一緒に買い物しよ、一兄」
「そうだな、一緒に昼も食うか?」
「うん!!」
そう言って夏梨の頭を撫ぜると今まで言い合いをしていた二人に向き直り、
「じゃ、買い物は済ませたんだしいいよな。じゃあな、恋次、ルキア」
と、二人を置いて行ってしまった。

「「な!」」
驚く二人だったが
「もういねェ;」
「くそっ親密度をupさせようとしたのに」
「お前は仲いいだろうが!!俺はまだちゃんと話した事無いんだぞ!」
「貴様はいいのだ!!」
「なんだと!!」
すぐに口論を始めてしまった。

後日、他の現世に派遣された死神に服を自慢する二人の姿が見られ、その死神達にも買い物を付き合わされた一護がいたとか…。



あとがき
緋焔様、いかがでしょうか…お取替え可ですのでm(__)m

当家の一護は妹達最優先です。
 

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