書庫(捧げ物)

□冷たい雨と優しい白い獣
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ザァァァァ・・・……
(雨か…)
空座町に降る雨に、いつも一護の内は同調する。

「ホロォォウ!!ホロォォォウ!!!」
天気など関係無く、虚は現れる。
「大人しくしてろよ」
代行証を使ってコンと交代し、一護は窓から出て行く。
(多いな…)
虚の気配を追いつつ、一護は走る。
ザンッッ!!
(まずは一匹…)
数匹の気配を感じつつ、確実に虚を倒していく一護。
(あと二匹)
少し離れた位置にいる虚を目指して走る。
(いたな…)
虚を目にしてスピ−ドを上げる一護。
(! くそッ!!)
虚の近くにいる整を見て一護は焦る。
ガッ!!
虚の攻撃を斬月で防ぎ、整を逃がす。
『一護!後ろだ!!』
逃がした整の逆側からもう一匹が攻撃を仕掛けてくる。
ドガッ!!
「くッ!」
ザンッ!ザッ!
攻撃をくらいつつも二匹共倒す一護。
『一護、結界張って俺に代われ』
(…わかった)
一護は自分の周りのみに結界を張り、力を抜く。
『…終わったぜ』
瞬時に半分仮面が現れ、怪我した部分を超速再生する。
(ああ、さんきゅ、朔護)
結界を解いて部屋に戻る一護。

体を拭いてベットの上に倒れこむ一護。

「一護、大丈夫か?」
内の世界、激しくは無いが、止む気配の無い雨の中で、一護の隣に来て聞く朔護。
「…」
一護は何も言わず、朔護にもたれ掛かる。
「…一護」
ただ一護を抱きしめる朔護。
「また…護れないかもしれないかと思った」
小さく一護は言う。
「護れただろ?」
抱きしめたまま言う朔護。
「でも、朔護が治してくれなかったら。また、きっと心配させた」
一護は自分を責めるように言う。
「絶対怪我しねぇような奴なんていねェだろ」
腕に力を込めて朔護は言う。
「皆、護らなきゃいけねェんだ…!」
一護は搾り出すように言う。
「護れるさ、その為に強くなるんだろ?」
顔をつき合わせて、強く言う朔護。
「…ああ、そうだな」
力を抜いて一護は微笑む。
「強くなれる、よな…」
一護が確かめるように言う。
「当然。だから俺がいるんだっての、忘れたのか?」
ニッとからかうように朔護が言う。
「馬鹿、忘れる訳ねェだろ」
フッと笑って、一護は再び朔護に抱きつく。
「一護、俺の全てはお前の為だけにある」
誓うように言う朔護。
「朔護?」
その口調に、一護は体を離し朔護を正面からみる。
「ちょっとそのまま立ってろよ」
と言って、一護が答える前に朔護は跪く。
「我、汝が片割れ。永遠の忠誠を誓い、我が全てを捧げる」
そう言うと一護の右手を取り、恭しく口付ける。
「///なッ!」
驚く一護に朔護は視線のみ合わせて笑う。
「誓うは忠誠、捧ぐは命。これで俺はお前のモノだ」
跪いたままの朔護が言う。
「な、なんだよ、それ///」
顔を真っ赤にして俯く一護。
「お前が護る事を誓うなら、俺はお前と共に戦い続ける事を誓うだけだ」
立って一護を抱きしめつつ朔護は言う。
「///だからってあんな真似…」
「誓いがわかりやすいだろ?」
真っ赤な顔で言う一護と楽しげに言う朔護。
「//////…ッ〜〜〜今日はもう休む!」
「仰せのままに、我が愛しき王よ」
恥ずかしさに耐え切れず一護が言った言葉に、朔護は一護を横抱きして座る。
「ッッこのまま寝ろって?」
「嫌なら膝枕でもするか?」
「///ッこのままでいい!!オヤスミ!」
朔護の言葉に抵抗をやめて力を抜く一護。
「オヤスミ、一護」
疲れていた所為もあって暫くすると寝息の聞こえ始めた一護の額にキスして、朔護は言った。

いつの間にか、雨は止んで雲一つ無い穏やかな空になっていた。



あとがき
途中からただのイチャつきに;
すいません!神谷様!!
お取替え可ですのでお申し付け下さい(><)
 

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