書庫(捧げ物)

□火と一対の刃
1ページ/2ページ

「今日は何だって?」
「さあ?誰か客が来るらしいけど…」
黒崎家の客室で、幼い子供が二人、話している。
「待たせたな!サックイッチゴォォ〜オゥ!!」
ドゴッッ!!
「「省略すんな!!!」」
扉から顔を出した一心に二人揃って飛び蹴りを喰らわす。
「イデデデデテテッッ〜〜〜〜痛い、本当に痛いぞォ!朔、ヤメッ!!!イデェ〜!!!」
そのままタイガースープレックス(猛虎原爆固め)を決める朔護。
「ったく、毎回コりねぇな…」
呆れる一護。
「ちょ、イチッゴ!朔をッとめ、テく、イデェェ〜!!」
あまりの痛さに悶える一心。
「ウルセェから止めろ、朔護」
「ヘ〜イ」
一護の言葉にアッサリと一心を離す朔護。
「で、今日は何で呼んだんだ?親父」
一護はまだ肩で息をしている一心に聞く。
「ああ、お前らに、紹介、したい人がいて、な」
息を整えつつ言う一心。
「随分と元気が良いの」
どこか楽しげに言う初老の男が扉の所にいた。
「悪いな、客を放って置いちまって。聞いてるかもしれないけど、俺は黒崎 一護。コッチは弟の朔護、あんたは?」
一護が男に言う。
「こちらこそ申し遅れた、わしは山本元柳斎重國という。一心とは護廷で知り合っての、お前さん方の教育を頼まれたのじゃが…必要無いように思えるがの」
そう言って一心を見やる山本。
「いや、霊圧のコントロールを教えてやって欲しくてな…」
頭を掻く一心。
「ふむ、助言程度ならしてやれるが…本人達はどうじゃな?」
山本の言葉に顔を見合わせる一護と朔護。
「「じゃあ頼む」」
二人して言う。
「では、鬼道から少しづつ見て行こうかの。出来ると聞いておるが?」
「ああ、本で見た程度なら」
「でも実際に使ってる奴に見てもらいたいしな」
「決定じゃな、よろしく頼むぞ」
「「こちらこそ」」
その日から時々くるようになった山本に一護も朔護も信頼を置き、山本も孫のように二人を可愛がっっていた。


流魂街の外側、森の中にまだ少年といえる年齢の子供が二人、走っている。
「ったく、どこ行ったんだ、あのヒゲ…」
「毎度毎度、仕事から逃亡しやがって…」
一護と朔護が疾駆しつつも話している。
仕事から逃げた一心を探していた隊員達に泣き付かれた二人は、森のはずれまで探しに来ていた。

「かなり外れまで来たな」
「ああ、ここいらにはいねェな」
一旦立ち止まり、辺りを見回す。
ッッォン!…
「おい、一護、なんか聞こえねェか?」
朔護が一護に言う。
「何? …本当だ、向こうの方だな」
「行ってみるか?」
「ああ」
頷き合って音のした方向に向かう一護と朔護。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ