書庫(捧げ物)

□現世組vs護廷隊長達
1ページ/5ページ

「さて、取り合えずは黒崎の様子がわからないと動けないな」
石田がチャドと織姫を前に言う。
「そうだよね…まだダメって会わせてくれないもんね…」
困ったように織姫が零す。
「ム…。俺が会いに行ってみる、隙を突けば様子ぐらいなら見にいけると思う」
チャドが静かに言う。
「わかった、なら茶渡君に一先ず任せよう。僕らに出来る事はあるかい?」
チャドを見遣る石田。
「いや、怪しまれないようにいつも通りに振舞っていてくれ」
チャドの言葉に二人が頷く。

「そろそろダメか?」
同じ頃、病室の一護が卯ノ花に訊ねていた。
「ええ、完治するまでは安静にして頂かないと…」
卯ノ花は微笑みを崩さぬまま答える。
「…わかった、毎回聞いて悪いな、卯ノ花さん」
一護がベットの上で再び身を横たえる。
「いいえ、これが私達の仕事ですから。では、また来ますね」
「おう」
軽く一礼して卯ノ花が出て行く。

(暇だな…)
少しして一護は片腕で倒立したりして体を動かし始める。
『体力が有り余っているようだな』
傍らに斬月が現れて一護に話しかける。
(斬月。まァ、鈍っても困るだろうし…無理しなきゃいいだろ)
準備運動程度を続ける一護。
『ああ、そうだな』
斬月が無表情を少しだけ崩す。
(まだ動くのがダメって理由がわかんねェんだけど…お前はどう思う?)
一護が運動を止め、斬月に問う。
『…余りにも大怪我だった事とお前が人間である為に過保護になっているだけだろう』(帰したくないだけだろうがな)
暫し考え、答えを返す斬月。
(大怪我はわかるけど…人間だからって、なんでだ?)
首を傾げる一護。
『現世に肉体がある以上、下手に怪我が残っていれば只では済まないからだ』
(あ〜、なるほどな。それにしたって過保護すぎないか?)
『それだけ恩義を感じている、大事な客人の扱いになっているだけだろう』
(そんなもんなのか…)
斬月の説明に一応納得した一護はベットへと戻り、体を休める。

「これ以上は病院に留めるのは無理があります」
卯ノ花が辺りを見回して言う。
「しかし…退院したら現世に戻ってしまうのでは?」
浮竹が深刻そうに言うと、ほとんどの者が頷く。
その場には各隊長、副隊長が揃っていた。
「すぐには戻らないんじゃ無いんすか?」
修平が口を挟む。
隊長達全員が見舞いに行って一護を気に入っていた為、現世に戻るのを阻止しようとしていたのだった。
「でも、多分暫くしたら戻るって言うぜ」
恋次が言う。
「どうにかこっちに住んでくれれば良いのだが…」
砕蜂が思案する。
「いっその事、護廷に入隊させちゃう〜とか?」
乱菊が軽く言いつつも本気で提案する。
「それも一手だな」
白哉が真面目に言う。
「この前何処の隊に入隊させるかで揉めただろーが」
剣八が呆れたように言い返す。
「このまま引きとめ続けるしか無ェのか…」
日番谷の言葉に全員が溜息を付く。
「取り合えず現世の事を思い出させない事だね」
まとめるように言う京楽。
「他の現世の人達にはなるべく会わせないようにしましょう」
七緒がいい、全員が頷いてその場は解散となった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ