宝物庫
□掲げる花は?
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「そういえば黒崎。零番隊の隊章ってどんな模様だ?」
「は?隊章?」
冬休み前日の朝、いつものようにお馴染みメンバー達は自然と集まり、何気ない会話をしていた。
そしてそれは石田の何気ない疑問から始まった。
「あぁ。総隊長さんから何か聞いていないか?」
「聞いてねぇ…てか隊章って何だ?」
「は?知らないのか?」
「お…「よぉ、一護!!!」グェッ!!」
返事をしようとした一護の頭に突如赤い物体がのしかかると、謎の物体と机に挟まれた一護は変な声を挙げて潰れた。
「い、一護君!?大丈夫!?」
「お早うございますですわ、井上さん、石田さん、茶渡さん」
「お早う、阿散井君、朽木さん。それより早くどいた方が良いよ」
唯一織姫が潰れている一護を心配して駆け寄るが、石田は後ろから出て来た猫かぶりのルキアと一護にのしかかる赤い物体基、恋次に挨拶し、下の一護を指差しながら忠告する。
「あ゙ん?下…?」
「…れーんーじー…テメェ!!」
「うぉっ!?そこに居たのか一護」
「うるせぇ!!テメェが押し潰しといて何言ってやがる!!!」
「いってぇ〜!!!」
ガバッと起き上がった一護を避ける恋次に、一護は近くにあった恋次の鞄を投げ付ける。
もろに顔面でキャッチしうずくまる恋次を無視して、会話に戻ってきた一護。
「で石田、さっきの話しだけど隊章?って何だ?」
「何だ、知らんのか?一護」
「あぁ」
いつの間にか素に戻り、会話に加わわっているルキアに頷く一護。
「あのな黒崎。隊章って言うのは、その隊を模した花をその隊の象徴としているものの事なんだ。まぁ、だから隊章と言うより隊花に近いな」
「へぇー。で?」
「『で?』って…話し聞いて無かったのか…?」
「いや、聞いてたけど…その隊章だか隊花だかが何で零番隊に関係あんだ?」
「何でって…他のところは皆あるんだから、僕達もそれに従った方がいいだろう?」
「ふーん。じゃぁ帰りにでも爺さんに聞いてくる」
「あぁ。そうしてくれ」
キーンコーンカ-ンコーン♪
石田が頷くと、同時に鳴り響く朝礼の鐘の音。
「ほら、今年最後の朝礼を始めるよ。さっさと席に着きな!」
ガラッ!と音を立てて教室に入ってくる担任の声に、ばらばらと席に着く生徒達。一護達も各々の席に戻って行く。
すると、今だ教室内に残ろうとする恋次を廊下に蹴り飛ばして来たルキアが一護に話し掛けてきた。
「一護、尸魂界に行くなら私も共に行くから少し待っていろ」
「あ?あぁ、わかった」
そう返事をすると、一時間目が始まった。