書庫2

□十番隊の隊舎にて
2ページ/2ページ

「聞いてもいいか?」
食事を取っていた一護に、冬獅朗が唐突に聞く。
「? なにをだ?」
甘味を食べていた手を止め、一護は冬獅朗を見る。
「朽木の事が好きで助けたのか?」
どこか真剣に聞く冬獅朗。
「はぁ? ははははッッ」
一護は笑い出す。
「なんで笑う」
少々憮然として冬獅朗が言う。
「わ、悪い…でも好きだからって…そんな風に見えたのかよ…」
笑いを抑えつつも言う一護。
「わからないから聞いている」
憮然としたままの冬獅朗。
「ちげェよ、俺はアイツが連れて行かれた理由を聞いてさ。それが俺と俺の家族を助ける為にした事が罪になったからってわかって、しかも死刑。…俺は家族を助けて貰って、その所為でそいつが殺される、それを放って置くような奴にはなりたくなかった、それが俺の理由だ」
笑いを納め、一護は静かに言う。
「そうか…なんだかお前らしいな」
笑みを浮かべる冬獅朗。
「一護と二人っきりなんてズルイですよ隊長!!」
「「わ!!!」」
乱入してきた乱菊に二人は驚く。
「いい度胸じゃねェか…松本。仕事をサボって今まで何をしてやがった!!」
「マズ〜、じゃ、今度一緒に食事しましょうね、一護!!」
怒鳴った冬獅朗に慌てて逃げる乱菊。
「待て!!松本!!」
冬獅朗が追いかける。
「だから霊圧を抑えろって」
暢気に突っ込む一護。
「会計は?」
「先にいただいております」
「それじゃ、ご馳走様」
「またのお越しを」
一護はゆっくりと店をあとにする。

(面白かったな)
『二人がか?仕事がか?』
(両方)
『楽しめて良かったな』
(おう)
上機嫌で戻る一護。

『ま、一応安全圏だな』
『ああ、乱菊はふざけが過ぎるがな』
『程度は弁えてるからな…;』
『一護の心次第だ』
『そういうこったな』
乱菊と冬獅朗を害でも無害でも無いと思った二人。



あとがき
此処の二人は好きです。
面白いので、でもそれを書くのは難しいです…。
少しでも楽しんでいただければ幸い。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ