宝物庫

□バレンタイン&ホワイトデー
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ツナSide...

今日は何て素晴らしい日なのだろう!!
ツナは朝、珍しく寝坊もせずに起きていた。
その事をからかう家庭教師にも『いい日だね、リボーンvv』と天使の微笑を浮かべた。
勿論、その後はいつもの様に家庭教師様のセクハラの被害に合ったのだが・・・
それでもツナは、機嫌がよかった。
それは学校に来ても変わらず、密かに好意を持っているものは一生分のツナの笑顔を目に収めていた。
最も、彼らは目だけでは収まらなかったのだが・・・

「――十代目、素晴らしい笑顔です!!」
「何か今日のツナ、いつもに増して可愛いな〜襲いたくなるかも。」

忠犬こと獄寺はカメラのシャッターを常に押し、山本はツナの肩に手をまわす。
いつもと同じ様にセクハラ、そしてプライバシーの侵害もいい所・・・それでもツナは笑顔だった。
嬉しそうに笑い、それは大嫌いな数学の時間も、英語の時間も、体育の時間も変わらずだった。
そのたびに教師は顔を染め、生徒達はどうにも出来ないムラムラ感を味わったのだった。

そして、ついに着た・・・昼休み。

『沢田綱吉、僕に渡す物があるはずだよ・・・至急応接間にきなよ。』
『クフフ、綱吉君・・・私に言いたい事があるのでしょう?今すぐココに着なさい。』
『ちょっと、僕の部屋に入ってこないでよ。この変態。』
『貴方こそ、さっさと出て行って下さい、これから私と綱吉君のピーでピーピーな世界が・・・』
『何頭沸かしてるの?綱吉は僕とピーでピーピープ―で・・・』

前項放送で、よくもまぁココまで放送禁止用語を連発できるものだと呆れかえるツナ。
その腰に手を回し、あいつらすげぇな〜と笑う山本。
果たすッ!!と手にダイナマイトを構える獄寺、安全装置を外した漆黒の赤ん坊。
そんな彼等を横目で見て、ツナは溜息をついた。

「・・・俺、行って来る。」
「俺も行くぜ〜?」
「十代目の操は、俺が必ず護ります!!」
「・・・仕方ねぇ、俺も行く。」

ついてくる彼等に『かかった』と心で呟きながら、ツナは極上の笑顔をむけた。

「ありがとう・・・」

へニャリと笑うツナに、彼らの顔が赤くなったのは言うまでもないだろう。

それはさて置き、応接までは・・・やはり、不毛な争うが続いていた。
なんと言うか、耳を塞ぎたくなるような卑猥で下品な言葉が飛び交う。
そんな部屋のドアを開けて、ツナはにっこりと素敵な笑みを浮かべた。

「二人共、止めてください・・・これ、いらないんですか?」

――ピタッ
一瞬であたりを静寂で包むツナ、やはり九代目の目は正しかったようだと誰もが思う。
そんな中、瓦礫だらけで見晴らしのよくなった応接間に歩みを進めるツナ。
手には小さな水色の箱、掌サイズの少し歪な形。
リボーンは昨日一日キッチンに篭って甘ったるい匂いをさせていた正体だと、一発で気付いた。
気付いてそっと、舌打ちをする。
自分にだけではなかったのか、と独占欲を丸出しにさせて・・・殺気立つ。
『今夜はお仕置きだな』と口元を歪めるリボーンを見て、一瞬だけツナは背筋をびくつかせた。

「作ったんです、男から・・・しかも俺なんかからなんて気持悪い・・・ですか?」
『――そんな事(ありません・無いよ)!!』
「そっか・・・よかった////」
『――ッ////(可愛いvv)』

安心したように微笑みながら、ツナは一人一人の手にチョコを乗せた。
それぞれが顔を僅かに染めつつ『ありがとう』と述べると、ツナは恥ずかしそうに俯いた。
そして真っ赤に染まり、ほんの少し涙目になった顔を上げて――

「感想、教えてねっ!!////」

そう叫ぶと、走って逃げてしまった。
そんな彼等を影から見ながら、彼の女性はこう呟いたのだった。

「愛の為に死ねるんだから、馬鹿も少しは浮かばれるかしら・・・?」

真実を知るものは、ただ彼らの反応を楽しみにしたのだった。
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