宝物庫

□バレンタイン&ホワイトデー
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「一護!!」
「ツナ!!」

やったか?と聞く一護に、ツナは笑った。
手を叩き、大成功といって取り出した時計。
後もう少しだ・・・とツナがいい終わるよりも早く、けたたましく開始のベルは鳴り響く。

「イッツ・ショータイム!!」
「宴の始まりだ!!」

クスクスクス・・・・妖艶な笑い声が、木霊していった。

腐っても闇に生きるもの、
腐っても数々の死線を潜りぬけたもの、
というわけで、彼等に使う薬は己の世界のものではいけなかった。
ツナは一護に頼み尸魂界のものを。
一護はツナに頼みマフィアのものを。 
それぞれ己が鬱憤を晴らしたい奴等に、使ったのだ。
そろそろ効果が現れてもいい頃だが・・・そんな時、声が響き渡った。

『私は貴方のそんな所が、大好きなんですよ!!』
『僕だって、君のそんな気持悪い部分も纏めて愛してる!!』

ゾワゾワゾワッ――!!雲雀と骸の身体には蕁麻疹。それでも止められない二人の会話。
会話だけならば『何だこのバカップル』。けれど実際は、何をしているんだろうこの人たち?
会話はすごく甘いものなのに、やっている事は殺しと何ら変わらない事で。
二人は気絶しそうなくらいの言葉を吐き出しながら、止まらない己を悔やんだ。
雲雀と骸のチョコには『仲良くな〜るNS』Nの薬とSの薬を飲んだものは互いに惹かれあう。
そして口から勝手に愛の言葉が・・・という何とも凄まじいもの。
ちなみにそれを見て腕を摩る忠犬にはNを山本にもNをそして・・・セクハラ家庭教師様にS。

『小僧〜今日も可愛いな〜vv』
『リボーンさん、今日も麗しいっす!!』
『・・・・・ウゼェι』

可笑しい、ツナから貰ったチョコは何処も変わった所などないのに。
それもそのはず、リボーンの身体が対応できるのはあくまで『こちらの世界の薬』だけ。
見も知らぬ尸魂界の薬なんて、抗体は愚か反応さえできなかった。
結局、ツナの陰謀は見事に成功したわけだ。

「はハッ!ざまぁみろって感じ?」
「ツナも黒いな〜。」
「そう言う一護こそ、凄い事になってない?」

マユリ特性モニターを見ながら、ツナは笑った。
その画面には、腹を抱えて蹲る隊長と穴空きの姿が。
ビアンキ特性ポイズンクッキング、これは世界をこえての脅威らしい。
しかもこれはビアンキが腕によりを掛けた『見た目は美しいポイズンクッキング』シリーズである。
見た目に騙されたら最後、あの世行きで有る。
最も、元から死んでいる彼らはこの後何処に行くの課は二人の知った事では無い。

『何やこれ・・・死、死ぬゥ〜〜〜ι』
『ギン、まさか盛ったね?』
『んな訳あるかい!!』
『ウ〜ん、一護君・・・・失敗したのかな?』
『料理など出来なく共、朽木家っ――う〜ん・・・』
『今隊長凄い声だしてたけど・・・気のせいッスかね・・・オエ・・』
『知るかっ・・・おえぇぇ・・・』

これは暫く機能しないであろう。


「――ギャハハはハッ!!白哉のあの顔!!あの・・・カ・・・かか!!」
「笑いすぎだよ一護・・・でも・・おもしろっ!!」

ひとしきり笑った二人は、手にしたオレンジ色の飲み物を眺める。
それはマユリの薬。
彼らが食べたチョコに入れて置いた『仲良くな〜るNS』の改良版。
その名も『離れたくな〜る+−』磁石と同じく静電気にも反発の力がある、それを利用した薬。
つまり、彼ら『セクハラ迷惑卑猥軍団』から己の身を護る為の、素晴らしい薬。
これでしばらくは彼らはツナに、一護に近寄れない。

「素晴らしい未来にっ!!」
「平穏な世界にっ!!」
『――乾杯!!』

カチン☆と小気味よい音をたて、二人の『暫くの平穏な生活』が始まって行くのだった。




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V&W企画一発目、駿様にお届けします^^ヴァレンタイン編!!
ながっ!こんなんでホワイトデー平気なのかよ?
兎に角、頑張りマス!!
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