宝物庫
□掲げる花は?
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穿界門を潜り、白哉に用がある言うルキアと別れると、早速瞬歩で総隊長の元へと向かう一護。
馴れた足取りで一番隊隊舎に着くと、門番の死神と軽く挨拶を交わし、執務室へと通された。
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「こんちわー」
「おぉ、よく来たの。黒崎隊長」
執務室の扉を開けると、筆を止め、優しい瞳を向けてくる山本の言葉に顔を赤くする。
「だから、黒崎だけで良いっての///隊長とか…なんか恥ずかしいし…///」
「何を言うか。主はもう立派な零番隊隊長じゃぞ?それに隊長羽織りも様になってきたではないか」
来客用のソファーに腰掛ける一護を窘めながらも、先を促す山本。
「して、今日はどうした?」
「あ、あぁ。ちょっと確認したい事があってよ…」
「確認したい事?」
「おぅ。零番隊の隊花の事でよ。もう決まってんなら別に構わねぇんだけど、もし決まってねぇなら俺らで勝手に決めちまって良いか?」
「おぉ、何じゃそんな事か。良い良い、お主らの花じゃ。好きなように決めんさい」
「そっか。サンキュ、爺さん!」
一護は嬉しそうに立ち上がると、山本に軽く挨拶をして部屋を出た。
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「後は現世に帰って皆と隊花決めるだけだな」
『何処に帰るって?』
「朔護?何処って、現世だろ?」
突然話し掛けてきた相棒に首を傾げる一護。
「何でだ?」
「はっ?何でって…皆が現世に居るからじゃねぇのか?」
いつの間にか朔護が勝手に具象化していたが、もう慣れているのか一護は気にも止めず会話を続ける。
「じゃぁ、よ〜く探ってみろ。特に零番隊隊舎の方をな」
「隊舎の方…?−−…なっ!!」
朔護に促されるまま零番隊の隊舎の方に意識を向ければ、よく知る霊圧が一つ、二つ、三つ…
「ったく、漸く気付いたか。だから聞いたろ?『何処に帰るんだ』って」
「なっ、なっ…ちゃんと言え、莫迦朔護ーー!!!」
それだけ叫ぶと瞬歩で慌てて隊舎に駆けて行った一護を見送った朔護は、小さく悪態を残して少し嫌そうな顔をしながらゆっくりと後を追った。
『……害虫共が…』