宝物庫

□黒崎家の子供たち
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それから、一護は双子が頼んだ事を一緒にやった。
その頼んだ事とは…、
*一緒にお菓子作り
*一緒にゲームする
*一緒にご飯の用意
*一緒にお風呂に入る
*一緒に寝る
−であった。
3つ目迄は別に良かったが、一番の難関は4つ目の頼み。
遊子と夏梨はもう小学五年生なのだ。昔とは訳が違う。
流石にいけないと思った一護はこれだけは難とか止めて貰おうと頑張ったが、遊子と夏梨は「イヤだ。」の一点張り。
一護は最後まで粘って難とか全員タオルを巻いて入る事で妥協して貰った。

そしてやっと難関の風呂が終わり、最後のお願い、就寝のみになった。
寝る場所は何故か一護のベッド。一護を双子が挟む様にして寝ている。
−昼間慣れない事をした所為なのか、一護はいつもより早く眠気が来る。
うとうととぼんやりと眠りに付こうとした時、右隣の夏梨が話かけて来た。
「ねぇ…一兄…。」
「…何だ?」
右隣で一護の方を見ながら横になっている夏梨の顔を見ながら一護は呼び掛けに答える。
「…今度さ…、三人であそこの夢の国の遊園地に泊まり掛けで遊びに行かない?」
「…へ…?」
「いいね!!!夏梨ちゃん!!でも何でお父さんは抜きなの?」
いきなりの誘いにびっくりして変な声が漏れた一護。
左隣の遊子は夏梨の意見に賛成している。
真ん中の一護を置いて二人の話は弾む。
「何言ってんの。アイツが来たら目立って遊ぶ所じゃあ無くなるでしょ。」
「あ…そうか。ねぇ、お兄ちゃん!!行こうよ!!」
「ぅえ?あ…あぁ…。」
「やったぁ!!!楽しみだね!!夏梨ちゃん!!」
つい、流れに流されて返事をしてしまった一護。
でもまぁ、妹達が喜んでいるので断る気は無いらしい。少しばかり笑みを浮かべている。

その間にも二人の話は進んでいて、気付いたらかなり遅い時間。
一護は兄として今だに今度の事を話し続ける二人を寝かせる事にした。
「ハイハイ、そこ迄。遊びに行く計画は明日にして、もう寝るぞ。」
「「えぇ〜〜。」」
当然の様に抗議の声を上げる二人。
そんな二人を愛しく感じる一護。
「じゃあ、俺は寝るから二人だけで話していな。」
しかしそれはそれ。
寝かし付ける為にわざと冷たく当たる一護。すると二人は慌てて一護に抱きつく。
つまり眠りに付く事にしたのだ。

慈しみに満ちた微笑を浮かべ、二人の両肩を抱き返してやる一護。そしてゆっくりと目蓋を閉じて眠りに着く。
…暫くしてから部屋には3つの寝息が聞こえて来た。


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