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□モノクロの中に紅一点
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俺はお前の全てが欲しかった。
お前の綺麗な菫色の瞳にアイツの姿が映っているのが嫌だった。
お前の瞳に映るのは俺だけでいい。
その視線の先にいるのはアイツじゃなくて俺がいい。
アイツじゃなくて
――――俺をみろ…………
今俺の手の中には朽木な首がある。
「や、……おや、あっ!!!」
首を締められ苦しそうにしている朽木。その姿を見ているいや見ることができているのは俺だけ
「ひ、つが…やたい…ちょ、」
ここまで嬉しい事はない。今彼女の瞳に映っているのは俺。
「悪ぃな朽木…お前が俺の物にならねぇから――」
「やめっ…ひつ…がや、たい――!!」
その時の俺は相当舞い上がっていた。
彼女が名前を呼んでくれた。
そしてその声を最後に聞くのは俺がいいという考えが頭を過ぎり、気がついた時には
彼女の心の臓を氷輪丸で貫いていた。
モノクロに紅一点
やっとやっと手に入れた。
これでお前は俺の物………
(110401)