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□愛してる、
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「好きなんですよね〜」

「………………はぁ?」




久しぶりに京都から浮世絵町に戻ってきて。

一応、奴良君とこに挨拶に行こうと思って来て、挨拶してみたら、三代目と言われるようになった目の前の奴良 リクオに突然言われた言葉が之だ。

って言うか、普通は久しぶりーとかゆうんちゃうの!と言うツッコミは置いとく。まずは気になったことを彼に問う。


「…なにが好きなん?TKG?」


「んな訳ねぇだろ、馬鹿野郎」

挨拶もしてへんだけでも失礼やっちゅーのに!なんや!!!その暴言はぁっ!!!!


と心の中で思った事は口に出さず―――


「お前が阿呆みたいな事言うからだろ!好きなモンがTKGな訳ねぇだろ!!オメーじゃあるめぇし!!」

と逆にキレられた。あれ?おかしいな?心の中で言った言葉のハズ……

「な、なんで……?」

「思いっ切り口に出してたぞ、お前」

「んなぁー―――ッ!!!?変態!!」


「なんでだよ!!意味わかんねぇからッ!!!」

必死な様子で身を乗り出す。


此処で状況を説明するわ。

まず私、花開院ゆらは中一の夏にあった、《羽衣狐の一件》後京都に戻った。

そのまま、異例の中学生当主になって今までバタバタしてたから高一になった今、やっと落ち着いて、
『たまには息抜きも必要だろう』と珍しく優しかった竜二兄ちゃんの言葉に甘え、当主の仕事は竜二兄ちゃん、私の影武者用として作られた式神《兎鏡》にまかせてきて。

こうやってわざわざ、浮世絵町に来て奴良君の組に挨拶に来たとこまではよかったんや。

何てったって、奴良君のおじいちゃんに饅頭貰って和気藹々と喋ったし(ほんまはあかんやろうけどな)。

若菜さんとも仲良うなれたし、(夜着いたのに嫌味の一つも言わないなんて凄いと感心してもうた…憧れやわ)
奴良組の皆にものすごく歓迎されたし(いいんやろうか?)。

逸れで、最後の一人の奴良君に挨拶したところ冒頭の台詞を言われ何でか逆ギレされとるっちゅーわけや。


「…じゃあ、何が好きなん?」


「言っていいのか?」


意味ありげな笑みを浮かべる昼の優しい奴良君ではない、変態の奴良君。

「おぃ、今何か失礼な事考えなかったか」

「あぁ、あの昼の優しい奴良君が恋し……や?別に何も考えてへんよ!で、何が好きなんって!」

奴良君は、銀髪頭をぐしゃぐしゃとかきため息をしたかと思ったら(人の前で溜息するなんて失礼な奴や)私の顔を真っすぐ見つめる、のであった。

すると途端に顔が真っ赤になって顔をそらされた。


なんやねん!!










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