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□Happy…?
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尸魂界
Am.9:36すぎ
十三番隊舎
「はぁ〜…んで、こんな事になっちまったんだよ…」
そう呟く日番谷冬獅郎の隣には、愛しの彼女―つまり朽木ルキアの姿があった。
「そんなに気を落とさないで下さい。日番谷隊長」
ただし欠点が一つ、
「だから、敬語やめろって!」
「しかし!自分はただの平隊員!日番谷隊長に敬語を使うのは当たり前だと……」
「でもだな…!!」
「隊長〜?何ですか?急におっきくなったなと思ったら…早速、朽木を口説いてるんですか♪」
「 ち、 ちがぁぁぁあう!!!」
そう。
俺が過去に今居るっていう摩訶不思議な事を除けば、だ……
Happy…?
何故こうなったのか。
話せばそれは昨日の事…
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尸魂界
PM.3:55ごろ。
俺は、いつもの様に仕事をサボっている松本を怒りながらも書類を片付けていた。
コンコン、
「失礼するぞ。冬獅郎」
「え!?る、ルキア!?」
そう、そこからルキアが入ってきて書類を渡してきて、ルキア自身のしなければいけない書類はもう終わらせて来たらしく、俺の作業が終わるまで待っていてくれたとこまでは普通だった。
「そーいえば、冬獅郎…明後日は浮竹隊長の誕生日なんだが…何をやればいいと思う?というか零番隊に行けると思うか?」
「…知らねぇよ!何で俺に聞くんだよ!」
「何を言うか!!貴様は随分と浮竹隊長に世話になっただろう!」
「アイツが一方的にだなぁっ!!!」
逸れから言い合いが始まり、
「「貴様/てめぇなんかっもう知らん!!!!」」
それで俺はその場に居づらくなり、外にでた。
そして、自分を責めているとアイツらに拉致られたんだ――
「フッフフ…日番谷クン。君は良い所にいたネ、さぁ、実験台になって貰うヨ」
「…は?!っか、てめぇ!これは何だ!離しやがれ!!」
「あー暴れるんじゃナイヨ!ネム、ちゃんと縛り付けるんダヨ!!」
「はい、マユリ様…」
「ちょっ!」
「よし、準備万端!さぁ、やるヨ!!!」
ガシャン!!
「うわぁぁあっ!!?」
青白い光がしたと思ったらそれは消え、
すると目の前が真っ白になった
***
「…ん…?」
俺が目を覚ました時に目の前には、
「だ、大丈夫ですか…っ!!?」
「…ルキア…」
挙動不審しすぎているが何処か心配そうな顔をした、愛しの女。(只今喧嘩中の)
やっとあのたどたどしさが治ったと思ったのに…
「ってか、なんでお前、隊長羽織取ってんだ?…俺との喧嘩にそこまで責任感を…!!?」
今まで寝ていた状態の体を起こし、ルキアの肩をがっしりと掴んで揺さぶる。
「えっえぇ!?ななな、何をたわけた事をおっしゃられるのですかっ!!わわ私が隊長!?そんな夢見たいな…!!」
…は?何言ってんだコイツ?
「と言うか!貴方は誰なんですか!!隊長羽織を着られてるから、隊長何でしょうけど!見たことないお顔ですがっ!!!」
………………は、はい?
「お、俺だよ!ルキア!!」
「???」
きょとんとした顔をして首をかくんと傾げる。
糞っ!可愛い!!!
「日 番 谷 冬 獅 郎 !!!!!」
言った途端ルキアのただでさえ大きな瞳が更に大きく見開く。
「ええぇぇえェっ!!!!!?ひ、日番谷隊長おぉぉぉおっ!!!?」
そんなっさ、サイズが違いすぎますっ!!!!なんて言った。
…ん?サイズ?何気に失礼な発言に疑問を抱いた。
「お前、本当に頭大丈夫か?俺、お前の隣で成長しただろ?」
そんなことは知らないとばかりにルキアは眉一つ動かさない。
すると、見知った声が聞こえてきた。
「あーっ!!ルーーキーーアーーっ!!大変なのよぉっ!!」
…松本…
「らっ乱菊殿っ!!どうなされ」
「た、隊長が消えたのっ!ね、隊長見なかっ…って何その指、って誰そのイケメンっ!!」
乱菊がルキアの隣につき、冬獅郎に顔を近づけた。
「日番谷隊長…………?」
「はい?何?ルキア頭大丈夫?」
「大丈夫ですよっ!!」
「この長身イケメンが隊長な訳無いじゃないっ!隊長の身長大体こんくらいじゃない。」
乱菊は自分の腰よりちょい下辺りに手をおく。
冬獅郎の額にはうっすら青筋が。
「私も信じられませぬよ!でも、日番谷隊長と当てはまるじゃないですかっ!銀髪とかっ!」
「銀髪だけかよ」
「そーねぇ。そーいわれれば」
納得かよっ!
俺は今まで引っ掛かっていた疑問を解決した。
ルキアの挙動不審。
ルキアが隊長羽織を着ていない訳。
ルキアと松本が俺のサイズが違うと言い張る訳。
そして、全ては十二番隊長と副隊長が関わっていると言うこと。
そうか、俺―――
「タイムスリップっーのをしちまったんだ」
「「え?タイムスリップ???」」
ルキアと松本がこちらを見る。
「ああ、俺はてめぇらの時代より未来から来た。」
「「ええぇぇえええぇぇえっ!!!!?」」
二人の絶叫は煩かった。
***
―そして今に至る。
「日番谷隊長、お疲れ様でした。乱菊殿に一晩中追っかけられてたのでしょう?」
「あぁ、コイツしつこいっちゃありゃしねぇー。何が次回の精霊艇通信の特集にする、だよ」
迷惑過ぎるぜ、まったく。とルキアが煎れた茶をすすぎながら先程凍り付けにした、過去の部下を横目で見る。
「ははっ!そんなふうに言うなよ、日番谷隊長。にしても嬉しいなぁ、成長した君をこの目で見れるなんて」
「大袈裟だ、浮竹」
「馬鹿者!!浮竹"隊長"だっ!隊長を付けぬかっ!!」
バシーンッ!!!
「「「!!!!??????」」」
「る、」
「く、」
「わっ私…?」
「本来ならば、この様な事は駄目なんだがな〜」
浮竹、乱菊、ルキア、冬獅郎の目の前には、未来のルキアとちっちゃい冬獅郎がいた。