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□その後日。
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茶会からしばらくして
ー人間界ー
「…と言うこと何だが…」
漆黒の綺麗な髪で彼氏より少し小柄な彼女は上目遣いで銀髪成長期真っ只中の少年に詰め寄る。
「〜〜〜//わぁっかったよ!!手伝ってやるよッ!!」
このふたりはなんでこんなやりとりをしているかと言うと、茶会の帰り、銀髪ー冬獅郎は漆黒ールキアに呼び止められた。
『現世(人間界)で、デートしないか』
その言葉に、反応し、興奮した冬獅郎は返事をし、今に至る。
「本当かッ!!ならば速く兄様の誕生日プレゼントを買いに行こう!!」
冬獅郎はルキアから引っ張られ、空座町の何処かにある、ジュエリーショップへ向かった。
「…お前、またどうして、俺を朽木の誕生日プレゼント買うのに、付き合わせてんだ?」
冬獅郎は先程から気になっていた、疑問を相手にぶつけた。
ルキアはプレゼントを選びながら、
「だって、護廷十三隊の中で、私以外に、兄様と仲良いのって、冬獅郎だけではないか…。だから…その…」
「俺が朽木の好みを知っている筈だと思った訳か」
ルキアはコクンと頷いた。
可愛らしい…
冬獅郎はルキアを本気でそう思った。
いつもは強気で素直じゃないのにこういう事になると急に汐らしくなる。
ルキアの義兄ーー朽木白哉の事となると。
その一点を除けば愛しいのだが、その一点を踏まえると、彼氏の俺からすれば、すげぇ
イラつく。
「…あれ?ねえ一兄、あれってルキ姉じゃない?」
一方こちらは、ルキア達がいる、ジュエリーショップ[Mineri−]の外。
所謂、ただの道。
朽木ルキアとの出会いで死神代行となりそんなルキアに惚れている、オレンジ頭の高三に後もう少しでなる、黒崎 一護は双子の妹、遊子と夏梨と買い物に来ていた。
「…!本当じゃん。何でジュエリーショップなんかに…あ。そうか、そろそろ、白哉の誕生日ー」
だったなと言おうとした口が止まった。
ルキアは一人だと思っていた。
なのに、ルキアは後ろから呼ばれたらしく振り向いた。するとルキアは物凄く嬉しそうに名前を呼んだ相手に抱き着いた。
「!!?」
一護はびっくりした。勿論、ルキアが自分以外の男に抱き着いた事でもびっくりしたが、ルキアが抱き着い相手にもびっくりした。
「…冬獅郎…!?」
信じられなかったが確かに冬獅郎だ。一年前とは、明らかに身長が違う。
ルキアよりも、10pは低かったのにいまはルキアより10…いや、それより遥か高くなっている。
…俺よりたけぇ…
「さっすが、冬獅郎だなッ♪こんな兄様に合いそうなペンダント選ぶなんて!さすが神童!天才!イケメン!銀髪!デカノッポッ!!!」
ルキア、冬獅郎をおだてながら、店からでる。
「…おま…、最後のは愚痴だろ…?」
溜息混じりに、冬獅郎は言う。
「さ♪行こう!冬獅郎♪♪♪」
ルキアは冬獅郎の左腕に腕を絡ませる。
「ふぇっ!?」
まさかの恋人らしいルキアの行動に冬獅郎は動揺する。
そんなことを気にもとめないルキアは固まっている冬獅郎に疑問を抱く。が冬獅郎は歩きだしたので気にせず歩いた。
「なーんか、あのふたりいいよね〜♪」
「うんうん♪美男美女だしぃ〜♪」
「ちょ〜お似合いだよね〜♪♪」
とルキアと冬獅郎が通り過ぎると周りにいる人、一人一人が言いはじめる。
「ルキ姉の男の趣味がまともで良かったー。」
「お兄ちゃん。新しい恋しなきゃね♪」
と傷心気味の一護にズバズバと言い放つ。
「でも、またルキ姉が家に居候するってなったら嬉しいな♪♪彼氏付きでもかまわない!ルキ姉さえ居てくれれば!!」
と夏梨は熱弁している遊子は横でうんうんと頷いている。
夏梨が言っている事が現実になるまであと少し。
勿論ルキアの隣には、
愛しの彼氏を連れて。
ほんとはキミの隣はボクがよかったけれど、
キミが幸せそうならそれでいい
(20110108)