L-Dream
□Fate.8
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そうやって
貴方は──…
「そういえば名無しさんちゃんのお母さんっていつ帰ってくんのー?」
「今週末じゃないですかね」
福山さんの問いに答える。
アレから1時間して、みんなでぼけーっとしているところである。
いやもう、そうであって欲しいと私は願う。
母が家を出てもう2週間は経つ。
「そっか〜…。なかなかお母さん帰ってこなくて辛いんだよね、名無しさんちゃん」
隣で立花さんが微笑む。
「え、そんなことは無いですよ〜。自由に出来て楽しいですから」
「お母さん何でいないの?」
日野さんが興味津々で聞いてくる。
「何と言うか、傷心旅行的な感じですね。どこが傷ついてるのか分かりませんが」
「そっか。名無しさんちゃんも苦労してるんだね、自由も良いけどその自由を保つためには色々しんどいし」
「それほどでも。あ、でも、家事とか全部一人でしなきゃいけないからたまにめんどくさいな〜って思ったり」
「困ったら言ってね!」
「あ、ありがとうございますぅ、うぉっ!?」
にこやかに笑い、私に抱きついてきた日野さん。
何か可愛い。
「まぁまぁ。そのために俺がいるんだから」
「「?」」
後ろでえへんポーズをしてニヤリとする潤さん。
「一応、名無しさんちゃんのお母さん公認のお手伝いさんだからっ」
そういえばそうだったなぁ〜
そのおかげで潤さんと知り合えたんだし。