L-Dream

□Fate.8
1ページ/6ページ



そうやって

貴方は──…


「そういえば名無しさんちゃんのお母さんっていつ帰ってくんのー?」

「今週末じゃないですかね」

 福山さんの問いに答える。

 アレから1時間して、みんなでぼけーっとしているところである。

 いやもう、そうであって欲しいと私は願う。

 母が家を出てもう2週間は経つ。

「そっか〜…。なかなかお母さん帰ってこなくて辛いんだよね、名無しさんちゃん」


 隣で立花さんが微笑む。

「え、そんなことは無いですよ〜。自由に出来て楽しいですから」

「お母さん何でいないの?」


 日野さんが興味津々で聞いてくる。


「何と言うか、傷心旅行的な感じですね。どこが傷ついてるのか分かりませんが」


「そっか。名無しさんちゃんも苦労してるんだね、自由も良いけどその自由を保つためには色々しんどいし」

「それほどでも。あ、でも、家事とか全部一人でしなきゃいけないからたまにめんどくさいな〜って思ったり」

「困ったら言ってね!」

「あ、ありがとうございますぅ、うぉっ!?」


 にこやかに笑い、私に抱きついてきた日野さん。


 何か可愛い。



「まぁまぁ。そのために俺がいるんだから」


「「?」」


 後ろでえへんポーズをしてニヤリとする潤さん。

「一応、名無しさんちゃんのお母さん公認のお手伝いさんだからっ」


 そういえばそうだったなぁ〜

 そのおかげで潤さんと知り合えたんだし。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ