L-Dream
□Fate.1
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と思いつつ
今いるのは塾から家への帰路。
あいにく雨が降っていて
傘を忘れた私は、
鞄を頭の上に乗せ、
手で支えて
走っている。
だんだんうるさくなってくる雨音。
「…寒い……」
あともう少しだ。
もう少しでマンションの正面玄関。
バシャバシャと音を立て
足のスピードを速める。
もう少し
もう少し
雨がやんだ。
ではなく、私はマンションに飛び込んだ。
息切れが激しい。
鞄を開け中からタオルを出す。
ビニール製の鞄のため中に水はあまり入り込まなかったらしい。
手を拭き
自分の部屋のポストを開ける。
夕刊とハガキが数枚。
そして広告。
それに手をかけたとき
後ろから足音がした。