Long〜ドラマside〜

□ACT.3-2
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ぱちぱちと、拍手が耳を掠めた。
それは千葉くんのもので、少しずつ、少しずつ
それは全校生徒に伝わるように、拍手が増えていった。


「なんか…いいね、こういうのも」


そう呟いた時、すでに隣りに岳の姿はなかった。


「あれ?珍しくサボり??」







「くだらないな」





キィィィン…と甲高いマイクの音と
それに混ざって流れてきたのは聞きなれた低音ヴォイス。

視線を壇上に向ければ

いつものスタイルの岳がいた。
マイクを片手に。


「学校はお友達作りの場所じゃないんだよ、足立さん?」
「……」


やっぱりトップに興味があったわけね。
なさそうな素振りはしてても、分かるもの。

岳が頂点と聞いて、手を出さない筈がないんだから。


「生徒会長に立候補した2年A組和泉岳だ」


岳らしい、演出だと思った。


「俺はこの学校を県内一の成績を誇る進学校にしたいと思っている」



「頭の悪いヤンキーに、
ここがお門違いの場所だって分かってもらうためにもね」



本当に、岳らしくて、岳らしい考え過ぎて
なんだか、あたしは笑えなかった。






ヤンキーにこだわりすぎだよ、岳――…




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