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「香川っ」
「…む、先輩」
「あいっかわらず無表情だねーあんた」


最近の私のお気に入り。
1つ年下の後輩香川樹。

2年になって編入してきた彼は編入早々事件を起こした。
今となってはその相手だった北見とも仲が良い…多分


「ところで先輩、何用ですか」
「香川見つけたから声掛けただけですが?」
「では、これで失礼します」


「おいこらちょっと待て!」


本当に興味がないというか…
これでも好きだよ。って言うアピールを何度もしているんだけど
香川は一向に振り向かない所か気付いてもいない。

実にこれを数週間続けている私は、正直見込みがないと思っている。


香川の腕を掴んだ所で、くるりと振り返る。


「先輩」
「…な、なに」


ぐっと掴まれた腕、そのまま壁へと押しやられる。
いくら人が少ないからって此処は廊下だし、まだ生徒もちらほら通っている。

徐々に近付く距離、早まる心音…

思わず目を瞑ってしまう。

勿体ない、こんなに間近に香川の顔があるのに
直視出来ないなんて、私は相当惚れている――…


目許に、何かが触れる。
そのままゆっくり離れていくそれ。

薄らと眸を開くと、香川の指先がズイッと目の前に。






「睫毛抜けてました」






その指先には小さな睫毛。


じゃあ。


とそのまま去り行く香川に
私は胸のトキメキを返せ!!と怒鳴ってやりたい気分だった


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香川。
あの子はかなりのおとぼけ天然だといい。
なかなか拍手用には扱いが難しいです。
名前変換ないので。
なんかこれギャグだなぁ






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