君想1
□突撃!お宅訪問♪
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「んしょ、と………着いたぁー!」
「ん、相変わらず長い階段だったね」
「うんうん!何か一段ずつ上ってるとダルくなってくるよね」
「…だな;;」
長い長い階段を最初に上り終えた悠季が、ガッツポーズをすると、嬉々としながら叫んだ。
そんな悠季に、紫津花は微かに苦笑いを浮かべると、今しがた上り終えた階段を見つめながら呟く。
すると、丁度紫津花の隣に居た歩が、その言葉にこくこくと頷き、にこっと笑いながら言うと、それを聞いていた彰子も苦笑いを浮かべて頷いた。
さて、今四人が何処に来ているかと言うと…幻海師範のお宅の前である。
四人がどうしてこんな所に居るかと言うと……
――――――
「…彰子」
「ん?」
「お婆ちゃん家行こう!」
「…は?」
四人宅、リビングにて、悠季はソファーで寛ぐ彰子に近付くと、少しの間を置いてから、その名前を読んだ。
それに対して、彰子は首を傾げると、きょとんとした表情を浮かべながら、悠季を見る。
そんな彰子に、悠季はにぱっと明るく笑い掛けると、唐突な思い付きを口にする。
すると、悠季のその言葉を聞いた彰子は、意味が分からないと言うような表情を浮かべながら、そう言葉を洩らした。
「だーかーら!久々に幻海さん家に行こうよって言ってるの!」
「「あ、それいい!」」
「…あー、マジでか」
――――――
と、なったからである。
「…幻海さーん!居ますかー?」
「居たら返事をくださーい!」
幻海宅の門の前にて、悠季が声を大にして、中に向かって叫ぶと、それに続くように、彰子も大きな声で中に向かってそう叫んだ。
が、返事は一向に返ってこず、シーンとした沈黙が暫くの間続いた。
「……返事ないね?」
「でも、幻海お婆ちゃんの気配はここにあるよ?」
「んじゃま、仕方ない…お邪魔しまーす!」
「Σ勝手に入るんかいッ?!!」
「ま、仕方ないさ」
一向に来ない返答に、悠季は不思議そうな表情を浮かべると、首を傾げながら問い掛ける。
それに、紫津花も首を傾げると、不思議そうに幻海宅を見つめながら言うと、その言葉を聞いた悠季が、唐突に建物に向かって叫んだかと思うと、ズカズカとお宅へと歩を進めた。
そんな悠季の行動を見た彰子が、目をくわりと見開き、透かさずビシッとツッコミを入れると、それを見ていた歩は、ニッコリと彰子に笑い掛けると、そう言った。
「お婆ちゃーん!遊びに来たよー♪」
「……何だい何だい、他人ん家で騒々しい娘達だね」
「あ、お久方ぶりです。幻海お婆ちゃん」
「ああ、お久しぶりだね。
…で?アンタ達は揃いも揃って何しに来たんだい?」
悠季がニコニコと笑顔を浮かべると、至極楽しげな声で言いながら、幻海宅の中庭をスタスタと歩いていく。
すると、悠季の声が聞こえたのか、屋敷の奥から、呆れたような表情を浮かべた幻海が、四人の前に出てきた。
そんな幻海を視界に捉えた紫津花は、にこりと柔らかく微笑みながら言う。
それを聞いた幻海は、さっきまで浮かべていた呆れ気味な表情を柔らかくすると、紫津花に言葉を返す。
そして、幻海はその後に四人にそう問い掛けた。
「あー、ただ遊びに来ただけっすけど…」
「なので深い意味はありませーん」
「…そうかい。
ま、ゆっくりしていきな」
幻海の問いを聞いた彰子が、一瞬三人を見つめると、苦笑い気味に頬を掻きながら言う。
すると、それに続けるようにして、歩がにこにこと笑いながら、おちゃらけたような口調で話す。
そんな歩と彰子の言葉を聞いた幻海は、苦笑い気味に頷くと、そう言いながら、今度は普通に笑った。
「「「「はーい♪」」」」
「…相変わらず、あんた達は仲が良いんだか悪いんだかわかんないねぇ」
「…あはは;;」
幻海の言葉を聞いた四人は、皆一斉ににこりと微笑むと、声をハモらせながら、嬉々と返事を返した。
すると、そんな四人を見た幻海は、微妙な表情を浮かべながら、ぽつりと呟くと、それが聞こえたらしい彰子は、三人に目を遣ると、ただ静かにそう苦笑いを浮かべた。
丁度、その時…。
「おーい!婆さーん!居るかー?」
「「「「…!」」」」
「すぅ…あたしは中庭に居るから!勝手に入っといでー!!!」
唐突に、玄関方面から聞こえてきた見知った声と感じだ気配に、四人は驚いたような表情を浮かべると、ばっとそちらに顔を向ける。
すると、それと同時に、幻海が玄関に居るであろう人物達に向かって、そう声を大きくしながら叫んだ。
そして、程無くして四人の人物が五人の前に姿を現した。
「…?なんだ、彰子達も来てたのか」
「あ、幽助…に、桑原、蔵馬…に、飛影…?」
「……フン」
現れた四人の中の一人――幽助が不思議そうに首を傾げると、彰子達四人を見つめながら言う。
すると、彰子は幽助、桑原、蔵馬の順に見つめると、三人の名前を普通に呼んだ後、最後の一人である飛影に目を向けると、首を傾げて、訝しげな表情を浮かべながら名前を呼ぶ。
そんな彰子の様子に、飛影眉間に皺を寄せると、そう言いながら、不機嫌そうにそっぽを向いた。
「?…浦飯さん達は何をしに来たんですか〜?」
「あ〜、久々に体でも動かそうかと思ってよ」
「そうなんです?」
「おぅ!で、紫津花ちゃん達は何しに来たんだ?」
「…遊びに!だよ、ね?」
「「「うん」」」
不意に首を傾げながら、自分に問い掛けてくる歩に、幽助はぼりぼりと頭を掻くと、少し考える素振りを見せてから答える。
そんな幽助の言葉を聞いた紫津花が、歩同様に首を傾げながら言うと、今度は和真がにかっと笑うと、首を傾げ気味に問い掛ける。
すると、和真のその問いに対して、紫津花は遊びに、までを言った所で、三人に顔を向け、首を傾げて問うと、悠季達三人はにこりと笑って頷きながら、そう声をハモらせて言葉を返した。
「!…丁度いい機会だ。
幽助達にあんた達の実力でも見せてやったらどうだい」
「えぇ…?いきなり何言い出すんですか、幻海お婆ちゃん」
「そ、そうですよ〜…;;;」
「お!いいじゃねぇか」
「そうですね。
彰子さんは兎も角として…川依さん達が戦っている所はまだ見た事がないですし?」
不意に幽助達と紫津花達のやり取りを見ていた幻海が、にやりと嫌らしく口角を歪めたかと思うと、楽しげに紫津花達四人を見つめながら言った。
そんな幻海の唐突な提案に、紫津花と悠季はひくひくと口元を引きつらせると、慌てたようにして声を上げる。
すると、それとは対照的に、楽しげに笑ったかと思うと、明るい感じの口調で幽助と蔵馬の二人がそう言う。
こうして、紫津花、悠季、歩、彰子の四人は、幽助等四人に自分達の実力を見せるべく、この四人同士で戦う事になったのであった。
異色を重ねたような
異質で異端で異常で
可笑しな四人の少女。
はてさて、
一番に強いのはだぁれ?
はてさて、
一番に弱いのはだぁれ?
いやいやいや、
みんなみんな、
似たり寄ったりだから、
きっと同じ、かな?
突撃!お宅訪問♪
(今からガチのバトルを繰り広げたいと思います)
〜to be continue〜
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