こねた

□ツナ
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「危ない!」

「え」

突然聞こえた声にまともに反応する間も無く、一瞬のうちに私に覆い被さってきた沢田。ドアップの沢田の顔は痛みに顔を歪めている。

「さくらちゃん、大丈夫?!」

「なっ」

何してんの!ダメツナのくせに私のこと守ったりなんかして。京子ちゃんのこと山本に任せちゃって。

私は戦えるんだから沢田が京子ちゃんのところにいけば良かったのに。

ねえ、あなたボスなんでしょ。まだ戦わなきゃならないんでしょ。
私なんか守って重症負ったらどうするの。
普通の中学生なら逃げ出してるよ、だって銃だよ。肩かすめてるじゃん。こわいに決まってるじゃん。痛いに決まってるじゃん。
ねえ、あなたはダメツナなんでしょう。
私のことなんか守らないでいいのに。


何がさくらちゃんは大切な人だから、だ。
何が俺は頼りないけど、それでも負けないから大丈夫、だ。

ダメツナなのに。
京子ちゃんのことが好きなくせに。
ときめいたらダメなのに。
むかつく!!

「沢田のばかやろう!」

「え、えぇぇ!」

そんな沢田にドキドキしてる自分が一番むかつく!!
手当てくらいは大人しくされなさいよね!

2011.05.18
 

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