「なんでこの仕事につきたいの?」 「昔から鉄道が好きで…〜、」 「そっか。じゃあノボリのこと好き?」 「え?はい、それはもちろん」 「…きみ不採用」 「えっ?!」 ―- - 「きみはどうしてこの仕事したいの?」 「ノボリさんとクダリさんに憧れてて、御二人のもとで働きたいと思ったからです」 「じゃあノボリのこと好きなんだね」 「はいっ!」 「きみ不採用」 ―- - 「この仕事やりたい理由は?」 「ノボリさんに誘われたのがきっかけです。部下に慕われ、仕事もバリバリこなすノボリさんのもとで働けるのは、」 「きみ不採用!」 「まだ最後まで言ってませんよ!」 「不採用ったら不採用なの!」 ―- - 「ふー。疲れた」 「お疲れ様です、クダリ。それで、何人くらい新入社員が決まったのでございますか?」 「ん?0人だよ」 「ゼロ?!な、何故ですか!」 「だって皆ノボリが好きだって言うんだもん。ノボリはぼくの!だから皆不採用」 「……。明日わたくしが同じメンバーで再度採用試験を行ないます」 「え、何で!」 「自分の胸に手をあててよく考えてくださいまし」 「んー、分かんないよ」 「手を当てるのはわたくしの胸ではございません!」 「てへ」 「いい年した大人がてへじゃないでしょう!」 (ねぇ、ぼくも一緒に面接官やる) (クダリはおとなしくしててくださいまし) (だってノボリが採用試験の面接官すると誰彼構わず採用するもん) (きちんと考慮した上で採用いたしますので心配はございません) (そうじゃなくてノボリを狙う人が増えて、) (絶対にクダリは来ないでくださいまし) ――― 皆ノボリさんに憧れて入社すればいいんだよ。それでクダリさんに目の敵にされればいいんだよ((黙 2011.11.18 |