シリーズ

□ランボさん
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あードキドキする。いやまぁ、いつもいろんな意味でドキドキしてるけど。リボーンさんに銃突き付けられて脅されたりボスに凍らすよって脅されたり雲雀さんに以下略。そんなこんなで冷や汗ダラッダラにドキドキしてるけど。
今日は違うのさ。バレンタインに想い人に告白してチョコあげたから…。その返事が気になってドキドキみたいなね。うわヤバい、あたしめっちゃ乙女。
ホワイトデーに返事します、って言われてから気になって仕方なかったんだ。おかげで仕事に身がはいらなくてリボーンさんに叱られる毎日だったよ。まぁ今日で叱られるのも終わ、り…じゃないかも。
まてまてまて。もしフられたらあたし絶対仕事どころじゃなくなるよ。集中力切れるどころか放心状態で叱られるだろうし下手したら任務中に大怪我だってするかも。……。フられたら退職しようかな。…出来るかな。リボーンさんに蜂の巣にされたりして、あはは…。うん、笑えない。殺る、あの人なら間違いなく殺る。退職の道断たれたり。
もうフられたらその時に考えよう。今ぐらいはポジティブにいかなきゃ挫ける、いろいろと。
きっと大丈夫だよ。もしフられてもすぐに立ち直れるから。うん、大丈夫。……これポジティブではない気がする。つかフられただけで退職とかメンタル面弱いなあたし。

「名前さん」
『はい?…!』

わおぉぉ!!来ちゃった。ラスボス来ちゃった!どうしよ、あたしまだレベル1だよ。装備出来てないよ。そのへんのザコキャラにも敵わないのにいきなりのラスボスは辛いぞ。

「名前さん?」
『へ?あぁ、ごめん!考え事してた』

ラスボス攻略法とかレベルアップの方法とか。

「えと、今お時間よろしいでしょうか」
『うん大丈夫、全然いいよ』

…ばかやろう。あたしのばかやろう。だからレベル1なんだって。

「これ、バレンタインのお返しです」
『あ、ありがとう』

やっばい、心臓壊れる。それか口から出る。むしろ出してやろうかコノヤロー。……落ち着けあたし。

「それではこれで…失礼します」
『…え』

え、え?それだけって…。ランボくんは軽くお辞儀して歩いて行く。
うん、これは、

『フられちゃったのか』

ランボくんモテるしね。あたしなんかじゃ釣り合わないもん。てかフるのにお返しくれるなんて律儀だなぁ。あたしにくれたの以外にも大きな紙袋持ってたから、きっと1人1人に配ってるんだろうな。その中に本命もあるのだろうか。って気にしたらダメだ。もう、リセットしましょ。
やっぱりいきなりのラスボスはまずかったな。今度からはレベルあげてから挑まないとね。
さぁ、いつまでもくよくよしてらんないしさっさと仕事に取り掛かろう。


 
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